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4-1.(mis)understanding self-management

4-1-17 システム以外に重要なもの(Focus on mindsets, culture or systems?)

前回お話ししたのは次のような内容です。
“5つのプロセスを更新すれば自主経営は90パーセント完了する”
それは本当なのですが大きな補足事項があります。前回の動画で話したのはシステムについてのみです。

確かに変革の一項目ですが、システムと同時にマインドセットを変えることも重要です。社員の行動や組織の文化を変えることも重要です。

ケン・ウィルバーの“四象限モデル”が使えるでしょう。2-2の動画で解説しているので詳細は省きますが、ひとつ大事なポイントをお伝えしたいと思います。
4つの象限で全体が構成されるので1つの象限を変えただけでは全体は変わりません。他の3つも並行して変わる必要があります。
四象限モデルにはマインドセットの象限そして行動、組織文化、システムの象限があります。どの象限も重要なのですべてが変わる必要があります。そうして機械的な階層型から生命体的な自主経営に移るのです。

マインドセットの話をします。
組織のトップである自分や他のリーダーたちが昔のままのマインドセットで、基本的に社員というものは誰しも怠惰であり、行動の指示が必要だと考えていたら前の動画で話した5つのシステムを変えたとしても、考え方が昔のままなら機能しないでしょう。

“行動”の象限も同じです。マインドセットが変わっても行動が昔のままかもしれません。
リーダーとして自主経営を頭では理解していても、やることが多すぎるあまり社員に求められるがまま決断の承認を与えるばかりで“もう承認は必要ない”と伝えず、助言プロセスの見本も示さないとか問題が生じると、介入して解決してしまい自己修正システムをつくる手助けをしていないかもしれません。

“組織文化”も同じです。組織によっては“不信”の文化が根付いています。そのため何か変革に乗り出したり、自主経営の素晴らしさを語っても誰も耳を傾けないのです。
また何か変えようとしているだけだと思われてしまうので、組織文化を変える必要もあるでしょう。

私が相談を受けた組織のリーダーのほとんどは、本当に自主経営のことを理解し準備ができていましたそのためなかなかシステムの変革に移らないのが驚きで私は何度も言いました。
“とにかく5つのシステムのアップグレードを実行しましょう”

私の考えでは、システムをアップグレードすることは他の3つの象限の向上にもつながります。
たとえばマインドセットも8割は更新されているのに残り2割が完了していない場合、システムのアップグレードを始めれば“助言プロセスなんだから介入による解決ではダメだ”といった認識が生まれるおかげでマインドセットの残り2割が更新されていくのです。
組織文化も同じで自主経営に移る文化が整っていてもシステムを変えることで初めて組織文化が実際に変わっていくのです。だからシステム更新を推奨しました。

しかし他のコーチやコンサルタントに聞くと、相談してくるクライアントの多くが流行に乗って自主経営に飛びつくと言うのです。
自発的でアジャイルな組織を目指していながらも、深いレベルではそれを信じたり理解していないと言います。なぜかそういう人は私には相談に来ません。直感的に察しているのかもしれません。

私だといろいろ問い詰めると感じたのでしょうし、自分がコーチならそうします。その場合早く5つのプロセスを変えろとは言わず、まずは一緒にマインドセットや行動や文化の変革に取り組みます。やることは盛り沢山です。リーダーの無意識の前提を特定することもできます。
“社員をどう考えている?その考えの根拠は?”
答えを書き出して確認するのもいいでしょう。

リーダーと社員たちとの対話を取り仕切ることもできます。階級による身分の違いについて話し合うのです。地位によって役割が異なる状況についてです。その構造の醜悪さを明らかにしてリーダーに認識させるのも役に立つでしょう。

リーダーたちに実際の現場で作業してもらうこともできます。1週間や1ヶ月働いてもらうのです。考えが変わって言うかもしれません。
“自主経営を教えてください”
なのでまず現場を体験してみましょう。

組織文化を変える必要がある場合はリーダーに自主経営を理解してもらい社員との関わりを変えることもできます。全社会議やビデオ会議を開いて台本なしの厳しい質問に答えるのです。自分らしさや弱さを見せることで組織文化が変わっていきます。

前の動画で話したシステムを変えるなら、専属チームの配備ではなく志願者チームを募り助言プロセスを使って変革を進めるよう伝えましょう。そうしてあらゆるチームが助言プロセスに触れ文化が変わっていきます。創造性を発揮しましょう。

あるフランスの組織は素晴らしい方法を考案しました。すべての自社工場に特別なラボを設けたのです。機械や3Dプリンターがあり人が集まって開発に取り組めます。あれこれ試作できるのです。
そういう場所を工場に設けて、“革新”を目指しプログラムを立ち上げました。どの部門からも参加者がいます。機械オペレーターや工場のスタッフ、財務やマーケティングの人間。彼らが数日のうちに試作品を練り上げていくのです。
数時間力を合わせて作業し最初の試作品群をプレゼンして最も有望なものに投票してもらいチームはどれに取り組むか決め、ピザを食べながら夜中まで作業し3日目の終わりに最後の試作群から開発を続けるものを選ぶのです。

イノベーションに向けた素晴らしい方法ですが、文化を変える強力なツールでもあります。3日間自主経営チームでの作業を体験でき、しかも部署や役職の違いを超えて取り組みました。
上層部の人間が機械オペレーターと一緒に作業をすると、オペレーターの方が創造性やものづくりの知識があるので、力関係が逆転して自然発生的な階層を経験し文化が変わっていきます。
方法はほかにもたくさんあります。

四象限を意識しましょう。
“どこに取り組む?”
“どの象限に一番力を入れるべき?”
“リーダーのマインドセットを変えるべき?”
“行動に注意するべき?組織文化を変えるべき?”

あるいはそうした準備が整っているならシステムのアップグレードに取りかかりましょう。

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