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4-2.Self-management: getting started

4-2-7 よくある落とし穴“とにかくやれ”(A common pitfall: “Just do it”!”)

よくぞ自主経営チームの導入にたどり着きました。その際によく聞く失敗があるので、紹介しておきます。

いよいよ自主経営を始める時を迎え、経営陣が未来の自主経営チームにこう言うのです。
“さあ好きにやれ。自分で自分を管理しろ”
これぞ失敗への道標です。

特に数十人ほどの小さな組織にありがちです。一見、少人数のほうが変革は簡単そうですよね。大人数が一斉に変わるほうが遥かに大変に思えます。でもリーダーは大小問わずこう言うのです。
“さあやってみろ”と。

これは極端すぎる失敗例ですが、一方でこういう極端な例もあります。
“自主経営の実践計画は私たちが立てるから大丈夫”
“研修など必要なことはすべて指示する”
“君はただ自己管理すればいい”
これも間違ったやり方です。でもどちらの失敗を多く聞くかというと、従業員に丸投げの前者です。

そこに陥りがちな理由は2つ考えられます。1つは単に誤った認識からです。
“自主経営について十分議論したし教える気はない”
“自分なりに考えてやってくれ”
それではいけません。“あえて方法を教えないが支援はする“と言って自力で考えるのをサポートすることと、“自分で考えろ”というのではまるで違います。

極端に走る2つめの理由は、ずばり怠慢です。組織に自主経営を導入すると決めた張本人がその実践方法を知らないのです。
“私は自主経営のやり方を知らないから自分で考えてやってくれ”
この手の怠慢ぶりにはあきれるばかりです。本気で自主経営の組織を目指すのなら、正しく学ぶ必要があります。この動画を見たり、あらゆる参考書籍を読むべきです。

私はつくづく驚きます。うかつに変革に挑む人があまりに多いのです。彼らはろくに知識もなく、何も決めていません。
例えば組織のデジタル化やクラウド化、中国への拠点移転。それらをろくに学ばずに実行しようとするのです。まずは勉強するべきです。自主経営についても同じことが言えます。

間違った声がけについて具体的に説明しましょう。
“君は自由だ。好きに自主経営をやりたまえ“
すると従業員たちはこう受け取るでしょう。
“いいけど何をすればいいの?”
みんなで理解しようとミーティングを開くも、実りある議論にはなりません。なぜなら彼らの本来の仕事ではないからです。機械作業員は機械を動かしたいし、会計士やコピーライターにもやりたい仕事があります。

そんな彼らにあなたは“専門家になれ”と命じたのです。
“組織開発と自主経営のリーダーシップを取れ”
と。突然言われてできるわけがありません。結局何度かの非生産的なミーティングの後、彼らはこう気づくでしょう。
“一番の貢献は自分の仕事をすることだ。顧客に仕えるのが常識だろう”
彼らは無意味なミーティングを中止してこう言うでしょう。
“自主経営なんてくだらない”
“自分の仕事に戻ろう”
これこそが私の考える真のリスクです。

チームをサポートしてこそ、自主経営を導入できるのです。
ここで問題となるのはどこにカーセルを置くかです。極端に社員に丸投げするか、反対にすべて仕切ろうとするか。
重要なのは、必要なサポートはチームごとに違うということです。だからポイントごとにカーソルを合わせて、チームに必要なサポートを提供しましょう。

何が必要か気づくためには各チームに耳を傾けること、そしてよく見ることです。私はいつも少し離れた場所であえて手出しを控えて観察するのです。“自分たちで何か気づくか”と。
そこで盛り上がるチームは適切なミーティングを開いたりして、正しい専門知識を手に入れます。一方で停滞するチームもあり、その場合は会話を促す手助けをします。

“サポート”という言葉に関してですがチームが求めるサポートには4種類あると考えられます。

1つめのサポートは、適切な話し合いができるよう道筋をつけること。
2つめはファシリテーション。その場に同席して会話を促すことです。
3つめは専門知識。チームに足りない専門知識を補ってあげるのです。
そして4つめは研修。自主経営の実践に必要な研修を受けさせます。
4つのサポートについては次の動画で詳しく述べます。

今回はこの質問で締めくくりましょう。
どの程度のサポートが適切なのか?積極的に耳を傾けるべきか?
それとも逆に一切手出しせず、自主的な気づきを阻むくらい何でもかんでも手助けするか?

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