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4-2.Self-management: getting started

4-2-6 階層のどこから始めるか(At what level of the pyramid do we start?)

今回は第2章で語った内容を補足します。大きな組織ではどこから変革を始める?

基本的な回答は“エネルギーに満ちた場所から”です。やる気がある人から始めるのが一番です。ですが今回はもう少し具体的な話をします。
階層組織のどこから手をつけるか?

この手の質問を今まで何度も受けました。
トップから始めて方向性を固めるべきか?それとも前線というか、“末端”から始めるべきか?要するに現場です。あるいは組織の中間層から始めるべきか?なぜなら中間管理職こそ、この変化を恐れるからです。

ミキ・カシュタンという私が尊敬する女性がいます。非暴力コミュニケーション(NVC)の活動において“収束ファシリテーション”というツールをつくった人です。彼女の哲学は実に腑に落ちます。まさに組織が変革していく様子に当てはまるからです。
組織の上と下から変化が始まり、最後に中間層がそれに向き合うのです。

実際私が見てきた多くの組織がそうでした。
実務を担うのは現場であり、そこでこそ組織に必要な変化は起きるのです。以前の動画で語ったように、現場からこそ機能を越えた横断的なチームが生まれ、顧客のすべてをカバーします。そうした何でもこなす自主経営チームは、スタッフ機能やその他の機能もすべて備えたチームです。

当然現場からも始めるべきです。現場にこそ真実があります。
しかし一方で他にも巻き込むべき人たちがいます。組織の上層部です。
最も避けたいのは組織が機能不全に陥ることです。上層部が意思統一していないと混乱します。現場を自主経営に誘っても上層部の誰かが断固として考えを変えず、従来のやり方を押しつけ続けたら周りは混乱してしまいます。

組織変革には仲間が不可欠なのです。
時間には限りがあるので変革を望む同志が多いに越したことはありません。だからこそ上層部を巻き込みましょう。方法については別の動画で解説します。

そして最後に残るのは中間層です。大きな組織であるほど、階層の数も多くなります。
“管理責任の範囲”という考え方があるからです。マネジャー1人に対しておよそ10~15人の部下が上限だという考えです。すると、すべての階層に何人ものマネジャーが生まれます。

でも自主経営型の組織になると管理業務が激減し、彼らの仕事はなくなるでしょう。
つまり上層部が自主経営を始めれば、現場も自律して働けるようになります。上が新しい働き方を受け入れたら、中間管理職も従来の立場から解放され、もっと有意義な仕事を見つけられるでしょう。組織の存在目的にもより貢献できるはずです。

それが1つの考え方です。私が見てきた多くの組織がそうでした。
上と下から始めて、最後に中間層が向き合うのです。

ただし理想と現実は違います。いざ実行するとすべての階層で問題が起きます。

たとえばどこかの国や地域において、自主経営を深く理解したリーダーがいるとします。その人が全階層で一斉に自主経営を導入した結果、中間層の危機に手を焼くこともあるのです。
でも一般的には、上と下から始めて最後に中間層という順番を私はお勧めします。

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