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4-4.Self-management: typical issues

4-4-4 メンバーが互いに優しすぎるとき(Team members are too nice with one another)

複数の組織で聞いた問題があります。自主経営に移行してみると、メンバーが仲間に優しすぎるチームが多く、問題を話し合わないのです。
互いの責任を追及せず、フィードバックも与えない。誰の仕事がダメなのか、皆、知っているのに問題について話し合うことを避けていました。

彼らを責めることはできません。多くの人は多少なりとも対立を避けるものなので、仲間と対立したくないのです。
気まずさから逃れるために自分ではなくマネジャーの仕事だと考えるのですが、マネジャーの多くも避けたり、対処に失敗してきました。
そうした責任追及はチームで実践すべきです。

うまくいっていない場合に私が聞いた解決策は、いいフィードバックを与える訓練を受けさせるというものでした。
それは確かにいいアイデアだと思います。フィードバックのスキルを得て、抵抗が薄れるからです。フィードバックすることへの不安を乗り越えるには、確かに有効でしょう。

しかし私の経験によると、訓練だけでは不十分です。自信を持って言えますが、チームが訓練を受けても問題は消えないでしょう。他に2つのことを実践すれば、フィードバックを始めることへの抵抗がなくなるはずです。

1つ目はフィードバックの時間を定期的に設けることです。

チーム内にです。以前も紹介したように、チームの現状を点検することに加え、全員が公平にフィードバックする機会を設けるのです。

1対1でもグループでもいいので、さまざまな方法を探ってください。他の組織の方法を参考にしてもいいでしょう。私の著書『ティール組織』の中でも、グループ・フィードバックについてサウンズ・トゥルーの例を挙げています。そうした機会を組み込んでください。

対立を避けたい人は、話し合いに慣れていないと“指摘すべきことがある”と仲間に言うのが難しいはずです。
でも定期的に話し合う機会があれば、1か月か3か月ごとに決まった話し合いの場を設定し、チームでフィードバックを交換すれば意見を口にしやすくなるでしょう。

2つ目はフィードバックに直接関係していません。まったく別のアプローチです。以前の動画をご覧頂いていたら、驚くに当たらないでしょう。
それはシステムを作ることです。

チームが仕事の結果に直接さらされるシステムです。
チーム全体が結果の良し悪しを体感し、自分たちがした仕事への誇りや痛みを感じるシステムです。

考えてみてください。チームとして仕事の結果を直接、感じられれば、メンバーの会話に影響が出てくるはずです。
いい仕事ができたと分かれば仲間とハイタッチし、悪い仕事をしたと分かれば痛みにさらされます。フィードバック訓練を受けなくても“話がある”と言うことができます。ダメな仕事をするのは苦痛だからです。

この場合、絶対に必要なのはチームが今後仕事の成果から隔離されないことです。財務や顧客の担当者を介入させることなく、チーム自身が仕事の結果を直接、感じるのです。

以前の動画でも話したように、顧客に直接触れされることでビュートゾルフのように他のチームと比べることができます。各チームから選ばれた代表がミーティングを持って他のチームに触発される。
他の方法もたくさんあるでしょう。でも私なら これから始めます。
チームに仕事の結果に対する誇りや痛みを感じさせるのです。そうすれば悪い結果になった時に責任を求め合うようになります。

そうなればフィードバック訓練も話し合いをいい方向に促すのに役立つでしょう。ギスギスすることがなくなり、相手が受け入れやすい形でフィードバックできます。
結果に触れたら難しい会話でも始めていく気になる理由は、自分にとって重要だからです。チームがダメな仕事をしている時に黙ってはいられなくなるのです。

これが私の考えです。メンバーが仲間に優しすぎるのは、仕事の結果に直接触れていないことが原因でしょう。フィードバックの訓練をし、定期的に話し合いの場を持ち、フィードバックを出し合えば問題は消えるでしょう。

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