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4-1.(mis)understanding self-management

4-1-16 自主経営の5つの主要プロセス(Five key processes of self-management)

よく驚くのが、長らく自主経営の導入を検討していながらも、小さな取り組みをするだけで本腰を入れない組織があることです。自主経営を検討しながらも階層型の運営を続けています。私はよく心のなかで思います。
“とにかくやってみて!そんなに難しくないから”
4〜5つの主要プロセスをアップグレードすれば、90パーセントは完了です。でも誤解しないでください。自主経営への道に決まった型はありません。共通の“5ステップ”など存在しません。組織によって道は異なります。

しかしながら確かに基礎となるプロセスはいくつか存在しており、自主経営を実践するならアップグレードが必要になります。
更新すべきプロセスは複数あり、特に私は5つあると思っています。その5つのプロセスをかなり手短に紹介します。多くの組織に関係すると思います。

1つ目のプロセスは意思決定です。
意思決定の方法が変わります。階層制を基盤にした意思決定ではなくなります。その代わりに導入するのが助言プロセスやそれを改良したものです。あるいは重要な議題なら同意に基づく意思決定など。何を導入するにしても忘れないでください。
“上司が何でも決めるような階層型の意思決定は捨て今後はこのプロセスでいく”

2つ目の主要なプロセスは、職務記述書という考えから“役割”への移行です。
単一の役職や職務記述書の代わりにさまざまな役割を組み合わせて兼務するのです。重要なのは従来マネジャーが担当していた作業を分割し、社員で分担することです。
これまでマネジャーの仕事だったもの、たとえばビジョンを描くことやプランニング、紛争の解決、社員の採用それから人事評価や財務の分析などひとつひとつを役割と捉えメンバーで分担するのです。好みの役割でない場合や自分の仕事が多すぎる場合は、無理に担当しなくても誰かに任せることができます。マネジャー固有の業務を分解し社員で分担することが重要です。

3つ目は情報の透明化です。
何より必要なのは、適切な決断を下すための適切な情報を得ることです。これまでの動画の言い方を用いるなら、システムが自己修正するには正しい情報に触れる必要があります。適切な情報がなければ助言プロセスも機能しません。

つまりすべての情報を全社員に公開するのです。しかしその情報をより理解しやすい形にしたり、分かりやすい言葉に変えたりする必要があります。財務情報なら財務部しか分からなかったりしますが、誰もが分かる言葉にしましょう。
自主経営へと移行した組織の多くは、現場の作業員なども全員研修を受けることで基本的な財務の知識を学び会社の情報を理解しています。

他の透明化もあります。階層的でない“Slack”のようなプラットフォームの導入です。いくつもチャンネルを分けられるうえ、組織の誰とでも話せて助言プロセスにも活用できます。このようなツールも重要です。

4つ目は実績管理です。
従来のシステムではマネジャーが上からやってきて、評価の良し悪しを判定します。そのシステムを移行しましょう。
同僚からフィードバックを得るシステムです。個人としてだけでなくチームでも同じです。チームとしては顧客からフィードバックを得てすぐに自己修正をしていくことも可能です。

5つ目は紛争の解決です。従来の組織では紛争が起きると上司に報告します。
“私じゃ無理なので話してください”
上司は介入して問題を解決する。それが自主経営では変わりますが、素晴らしいことに本に向けて取材したどの自主経営組織も、明確な紛争解決プロセスを実践していました。

これらが経験上重要だと感じる5つのプロセスです。
なるべく早くアップグレードしましょう。あまり難しくはありません。方法は多く紹介されています。私の本、その他の書籍、誰かがまとめたサイトもあります。やり方は紹介されているため私はもどかしく思うのです。
“助言プロセスを試しては?”
“リーダーの作業を分割して社員に振り分けましょう”

この5つのプロセスを更新すれば90パーセントは完了です。
これ以外のプロセスが重要だという組織もあるでしょう。個別の難題を抱えている組織もあります。

FAVIを例にとりましょう。前回の動画で彼らの構造変革を紹介しました。FAVIは構造を根本的に変える必要がありました。多機能の半自律型チームへとつくり変えて、直接顧客に対応させるなど構造の更新が必要でした。別の組織は投資予算が問題でした。
“誰がいくら使うか”
この組織の事業にとっては重要なことだったため、自主経営への移行に向けすぐに対処する必要がありました。また別の大組織では18万の社員が息苦しさを感じていました。

原因は本部のサポート機能でした。とても官僚的に振る舞うサポート機能だったのです。それをガラリと変える必要がありました。全体にルールを押し付けるサポート機能ではなく、現場の人間の求めに応じて動くように変えるのです。
彼らはそれが最優先でしたが、多くの組織は違います。

この5つを基本として考えながら自分の組織に合わせて調整したら、あとは実行あるのみです。話を単純化しすぎているのは分かっています。“この5つをやればいい”と聞こえかねません。

マインドセットは? 文化は?もちろん大切です。
ここで語ったのは変えるべきシステムや慣行についてで、マインドセットや文化も忘れてはいけません。それらもかなり重要なので次の動画でお話します。

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