今回扱うのは、組織変革の旅で あなたに力を与えてくれる強力な問いです。“あなたの良心（integrity）に反するものは何か？”小さなことでも大きなことでも考えるときは 紙を用意して、まずは単純に書き出してみてください。自分のキャリアを振り返って今までずっと続けていること、それが従来の方法だったからという理由だけでしているけれど実は あなたの良心に反していることです。もし私が 今でも典型的な経営者だったとしたら、私の良心に反することはたくさんあるでしょう。

例えば 人の採用を未来の同僚でなく人事部がすること、そんなのおかしいです。あるいは階層構造があるにせよ、マネジャーが 部下でなく上司によって選ばれること。それもおかしいです。予算編成も多くの組織で 馬鹿げたゲームになっているのは周知のことです。誰もが本音を隠して実際よりも難しく見せようとしたり、CEOとして自分の組織にこのゲームへの参加を強いるなんて意味があるとは思えません。予算編成に代わる方法を知っているわけではありませんが、腑に落ちないと感じていることをせめて受け入れたいのです。評価手法もそうです。空虚でむなしくてときに恐ろしくもあるものです。私は もう二度とあんなことはしたくありません。ささいな言葉づかいについても感じます。例えば“従業員”という言葉。せめて“同僚”の方がよほどしっくりきます。腑に落ちず 発音すらしたくない言葉がほかにもたくさんあります。組織の中で使われる多くの無意味な言葉たち。“あなたは信頼できる大事なお客様です”　“従業員こそが資産です”こんな言葉はどれも無意味で私の良心に反しています。どれも もう二度と使いたくありません。ともあれ、これは私の場合で例にすぎません。

あなたの良心に反するものについて考えてみてください。まだ私ほど強く”良心に反する”とまでは
感じないかもしれません。でも “これは腑に落ちないな”と感じることを挙げてください。それをリストにしましょう。旅へのエネルギーと創造性をたくさん与えてくれるはずです。

“どこから始めるべきか”についてはこの後の動画にもありますし、よく聞かれる質問ですが、どこから着手するかは概念的に考えるべきではありません。”もう嫌だ 変えなければ！”と感じる場所から始めましょう。旅へのエネルギーをくれるリスト作りを楽しんでください。