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1.Thoughts for top leaders

1-4 恐れと向き合う(Facing your fears)

前の動画で話したように、私が調査した組織のリーダーたちには共通して、組織を変えたい思いを突き動かす何らかの動機がありました。もう1つ気づいたのは、組織変革の旅をしているリーダーの何人かに共通しているのがある種の“恐れのなさ”です。まったく恐れを感じないという意味ではありません。でも彼らはこんな認識を持っています。何が起きてもきっとシンプルに対処できるはずだと。

『ティール組織』でも触れたFAVIのCEOゾブリストの話をしましょう。第一次湾岸戦争が起こり、自動車部品の受注が減ったせいで25%の人員削減が必要なほど財務状況が悪化しました。CEOはリストラ計画を人事部と秘密裏に進めて、つらい決定として発表する代わりに、全スタッフに機械を止めて工場の隅に集まってもらい、荷台の上に立って会社の窮状について話しました。もちろん、緊張した空気になりましたが、1時間後にはみんな仕事に戻っていました。すぐに誰かがこう提案したからです。“今月の賃金を全員25%カットしたらどうだろう?” “状況に応じて来月もカットする。そうすれば誰も解雇しないで済む” みんなが概ね同意し実際にそうなりました。彼はシンプルに、みんなの前で窮状を伝えただけですが、これが多くのCEOにはできません。“何が起きても対処できる”という信頼感が彼にはありました。

ビュートゾルフのCEOヨス・デ・ブロックは、自宅のソファーから夜10時にブログを書きます。『[イラスト解説] ティール組織』の挿絵が、その話の真価を表していて好きなんですが、彼はブログを書いてコメントをもらい、24時間以内に意思決定をします。従来型組織で長い時間をかけて、何度も会議を重ねて結論を出すのとは対照的です。こんなことが可能なのは、彼が公の場で提案することを恐れていないからです。批判的なコメントをもらうことを気にしていないんです。批判への対応はこうです。“おっと。確かに考えが足りなかった。誰か対案を出せますか?”

さて、どうしたらそのステージに立てるでしょう。まずできることは、逆説的ですが恐れを歓迎することです。恐れがあることを認め、歓迎し探求するんです。ときには恐れのおかげで、本当の危機に気づくこともあります。そのときは、詳しく調査し対処方法を見つけましょう。

しかし、事例で示したようにビジネス上のリスクがない場合もあります。愚かに見えるかもしれないという、自身の”エゴ”へのリスクだけです。そんなとき彼らは、シンプルに自分の誤りを認めます。“おっと、申し訳ない。間違えた” “情報が足りなかった” “考えが足りなかった” “疲れすぎていたみたいだ” 人間らしい側面を見せるんです。

それこそが、この旅における招待状です。恐れを感じる度に、探求してください。本物の危険を伴う恐れなのか。エゴにとっての恐れだけなのか。自身のエゴが理由なら、受け入れられるでしょうか。無知や誤りを認め謝罪できるようになったり、助けを求められるようになれるでしょうか。

興味深いことに、自分が恐れを感じているものは、相手からはとてもシンプルで偽りのないものに見えます。ですから、恐れを克服できるようになれば、周りの人から多くの尊敬を得ることができるでしょう。周りの人も、あなたのように、完璧を装うのをやめて実際に今必要なことに取り組めるようになります。

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