今回は複数のリーダーと議論した個人的な問いです。変革の旅においてどんなサポートを得るか？従来の組織においてCEOの役割と言えば、よく指摘されるように孤独なものです。この旅では、そんな孤独と決別します。

CEOによる多くの報告によれば、変革を終えると意思決定や催促といった肩の荷が降ります。創造的な仕事に取り組み、より健全に人と関われる。上下関係による隔たりがなくなって、人間関係の隔たりもなくなる。より豊かで意義ある関係になる。素晴らしいことですが実現には時間を要します。到達までには移行期間があってそこでは孤独です。組織の方向性を自分ひとりで感じ取る必要もあります。自分は新しいやり方で進めたいのに、たとえば経営メンバーが理解してくれない。

そのため次の問いは、興味深いどころかきわめて重要な問いです。どんなサポートを得てどうやって充電するか？どんな方法なら変革中に支援や積極的関与やコミュニティを得られるでしょう？３つの場所や方法を紹介しましょう。サポートを得る方法はリーダーたちを参考にしました。

１つ目は、この旅では規模が大きかろうがほとんどすべての組織に、あるとき同志が登場します。きちんと集まって組織された味方です。別の動画でも語りますが、変革の初期段階においてリーダーであるあなたが周りを誘うことによって、変革の支持者たちを集めるのです。彼らを集めて議論させると、定期的に会うようになります。味方がいてサポートがあって、共に新しい組織を求めていると感じられるからです。主な目的は変革の支えを作ることですが、この集まりについて複数のCEOの意見を聞くと自分の支えにもなりよく参加していたそうです。そこにいるのは自分と同じ考えを持つ人たちで、新しい組織を目指して熱心に取り組んでいる。

２番目の方法は、パーソナルコーチに助けてもらうことです。私ならこの旅には必ず協力者に付いてもらいます。その人と語り合うのです。自分の喜びや懸念、フラストレーション、自分が何か問題の原因になってないかという不安。それから自分の強みを変革にどう活かせるか。または、かなり実務的な話。経営陣のあの人が協力してくれないけどどう対処しよう？そうやって誰かと一緒に検討できるのは良いことです。私ならきっとコーチをつけます。興味深かったのは、たとえばフランスにあるトスカーナという組織は大組織の変革をサポートしています。そこで興味深かったのが、協力者の役割が複数あったことです。CEOのパーソナルコーチだけでなく、経営陣とも関わり変革の支持者たちのサポートもしている。珍しい形ですが効果的です。コーチが組織の各レベルと関わり、経営陣やその他の人々をサポートしていると、リーダーをサポートできる人が増えるのです。新たな視点からリーダーに指摘をしてくれます。“お気づきか分かりませんが、あなたの介入が意図せぬ誤解を生んでいるようです”これはとても貴重で効果的なことです。あなたが信頼できて組織の各レベルのサポートをお願いしたいと思える人はとても貴重です。知らない人もいるでしょうが、コーチに対する従来の考え方において、望ましいとされていたのは１つの階層のみを担当することでした。CEOのパーソナルコーチは、混乱を招くから経営陣とは仕事ができない。それは間違いです。もしもコーチが素晴らしい人物で優れた働きぶりなら、何か対立が起きてもうまく対処できます。リスクより利益の方がはるかに上回る。それが私の意見です。旅に招き入れたいとあなたが思うほどの人物なら、複数のレベルを見てもらうのが効果的です。少なくとも自分のためのパーソナルコーチがいるといいでしょう。

それから最後サポートを得る３つ目の方法は、似た旅をしているCEO仲間を探すことです。似たものを目指し、同じく変革中のCEOです。数人見つけて定期的に会いましょう。フランスにEVHという優れた組織があります。多数のリーダーが集まり２〜３か月に１度研修を受ける。２日間深く付き合って互いに助け合うことで、盲点を知ったり協力を得たり、力が充電されて実践的な情報交換もできる。自分の組織に招いたり、施策を参考にすることができるつながりを感じるのは貴重なことです。大変な変革に取り組みながら、同様の取り組みをする他の組織やリーダーと密につながるのは効果的です。２〜３人見つけましょう。似たような旅をしているリーダーを２〜３人見つけて、互いにサポートし合いましょう。

もちろん変革の最後には、CEOも孤独を感じることが減り、上下関係の隔たりも消え、深く豊かで意義深い関係が生まれますが、今はそうでなくても構いません。今は特に孤独かもしれません。新しい組織を目指しているのは自分だけかもしれないので、サポートが必要です。それを得る方法は３つあります。組織内の支持者や志願者といった同志、協力してくれるパーソナルコーチ、他の組織で似た旅をしているCEO仲間たちです。