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5.Striving for wholeness

5-10 全体性に対して抵抗が起きたら(When more wholeness brings up resistance)

最初のうちは全体性になじめず、不安を覚える人もいます。こう言われてる気分なのです。
“己をさらけ出して心の深い部分を見せろ”
だから身構えてしまいます。

私も身に覚えがあります。前は踏み込んだ会話を避ける達人でした。皮肉や冗談交じりのやり取りに終始して、深い部分を見せようとしませんでした。
でも、そのような抵抗感は自分を映す興味深い鏡です。私は少なくとも2つの理由から、周りが持つ抵抗感がよい映し鏡であると考えます。

まず1つ目の理由ですが、こちらにできるのは全体性へと促すことだけです。

強制はできないし、すべきでありません。“弱さを見せろ”などと命令はできませんし、相手には抵抗する権利があります。
なので何も押しつけず、呼びかけに徹しましょう。
誰もが安心できる場を用意して、自らが手本となって自分の弱さを見せていくのです。“自分に続け”などと命令せず、決して押し付けてはいけません。

もし相手が抵抗を示したら、圧をかけていないか振り返りましょう。深い話をするよう迫っていないでしょうか。そんな空気を感じたら、ミーティング中に確認しましょう。嫌なことはパスする権利が相手にはあるのです。

2つ目は、全体性が自己目的化してないか、ということです。

特に初めのうちは自分について語るにしても、仕事にとって必要な事柄であるべきです。自主経営を目指す工場のチームがいい例でしょう。あなたは みんなに尋ねます。
“私生活の状況はどうか?”
スケジューリング上役立つ事柄なので、メンバーも関心を寄せるはずです。“遅番が可能ということは育児の心配はないんだな”とか、業務に直接関係する話なら興味を持てます。

でも、さらけ出すこと自体が目的になると戸惑います。
なぜ仕事以外のことを尋ねるのかと、突然の質問をいぶかしく思うでしょう。恐怖すら感じます。個人情報が何に使われるか分からないからです。
だから注意しましょう。全体性を目的にしてはいけません。カルト集団になるのは避けましょう。

ある程度は避けがたいことです。人は何か新しいことを学ぶと、至る所でそれを実践しようとします。他の人にまで新しいものを押しつけてしまいがちです。
だから慎重になりましょう。

ただしこの2つ以外の理由で全体性に違和感を覚える人もいるでしょう。たとえ圧力をかけていなくても、仕事に関する内容であったとしても、他者が自己をさらす姿を見て恐怖に駆られる人はいるのです。
それは仕方ありません。現実を受け止めましょう。そうした抵抗を歓迎して、真摯に向き合うのです。

ちゃんと受け止めれば、適切な会話も生まれます。前に話したようにこう声をかけるのです。
“新しいことは怖いですよね”
“苦しむ姿を見るのはつらいです”
それだけです。無理な説得は必要ありません。

相手の心が動いたら、一緒に恐怖の原因を探りましょう。なぜ居心地が悪いのか、どうすれば解消できるか。その話し合いこそ、まさに全体性を実現したものです。“全体性の難しさ”について率直に語っている。それでいいのです。
とにかく押し付けたりせず、問題について話せる場を用意すればいいのです。コーチを呼ぶのも有効でしょう。“この人が手伝ってくれる”と紹介しましょう。

ここで気をつけたいのが、全員を大人扱いすることです。
あなたが組織に対して目指すべき方向性を提示すると、それに馴染んでいく人もいれば、どうしても合わない人もいるでしょう。転職先を探した方がいい場合もあります。どうしても合わなければです。
全員でのスムーズな移行を目指しはしますが、強制はいけません。よそへ移りたい人がいたら、応援してください。

1つ大事なのは、冷笑や皮肉めいた意見を許さないことです。
居心地の悪さは伝播して、周りの恐怖心をあおることになります。留まるのも辞めるのも、その人の選択次第です。私たちは周りを大人として扱うべきですし、大人として対話するべきです。

でも離職者がすごく少ない組織には、共通する特徴がありました。
最初は戸惑っていた社員たちがいつしか、“仮面を外せてさっぱりした!”と感じるそうです。

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