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3-5 経営陣を巻き込む(Engaging the top team)

一般的な組織であれば、リーダーが組織についてのビジョンを語り方向性を表明すると、すぐに大きな波紋が広がります。リーダーに近い上層部の経営陣やリーダーたちが戸惑います。奇妙でバカげた案だと感じる人もいるからです。次のような反応が多いそうです。まず経営陣は思うのです。“CEOに何が起きた?” “すぐ飽きて撤回するのを願おう” なので早いうちに経営陣を巻き込む必要があります。経営陣があなたと違う意見を組織に伝えだしたり、ビジョンに反する行動を取りだしたら、組織に大きな混乱や損害をもたらします。

しかし経営陣を巻き込むのは簡単ではありません。とても懐疑的な人もいるでしょうし、あなたの決意が試されます。経営陣のなかにはあなたのビジョンを受け入れられない人もいます。少なくとも1つの組織では経営陣が全員去りました。ビジョンを語ったCEOだけ残りました。このときは仕方ない状況でした。誰もビジョンに共感しなかったのです。ここまで極端な例は少ないですが、自分のビジョンを語ることを通して周りを巻き込むことが重要です。

そのために必要となるのが外部の人間です。ファシリテーターに場を作ってもらい、リーダーが正直に語り、会話が適切に進むよう手伝ってもらうのです。ここで言っている“正直に語る”とは、第1章の序盤の動画で取り上げたように、自分を変革へ突き動かす動機を語ることです。メンバーと同様、経営陣を巻き込むときも正直に語ると良いでしょう。自分にとっての重要性や変革の動機を語るのです。そしてファシリテーターと場を作り、経営陣となるべく深く対話する機会を持ち、それぞれの願いや不満を聞くのです。

それはとても意義ある行動です。“全体性”の模範となるからです。これまでにない形の対話を持つことによって、そうした対話が橋渡しやキッカケとなり、たちどころに経営陣の多くは対話を持つことで安心し、ビジョン実現を協力してくれます。一方そのビジョンを奇妙に感じる人もいます。そういう人は退社を検討し、より自分の世界観に合った職場を探せます。そうした対話を何度か持ちつつ、1対1での会話も多く用意しましょう。なぜならこの変革は、組織について初めて考える人には戸惑いも多いからです。

もうひとつのアドバイスは、常に自分の動機を明確にしておくことです。自分には重要な変革であると伝え、戸惑いや抵抗を感じる人への理解を示し、いくらでも会話を持つ準備があり、急ぎもしないと伝え、その一方で矛盾した情報を流さないよう釘を刺し、変革の妨害を防ぎましょう。明確に伝えることが大切です。最後までやり切るつもりなので、裏で違う意見を広めるのはやめてほしいと釘を刺しておきましょう。だから何か問題があると感じたら、周りに広める前に私と話し合おうと伝えるのです。そうするとやがて理解と意欲が十分に広がり、経営陣も大きな一歩を踏み出そうとします。

私が覚えている組織では経営陣が集まってこう検討を始めました。“取締役会の今後の役割は?”
話し合いの末に決めたのは、役割を3つに絞ることでした。1つ目は経営戦略について考えること。2つ目は財政の安定を図ること。そして新しい取り組みを守っていくことです。それ以外は経営陣の手を離れ、あらゆる日々の意思決定や業務に関わる決定の形は変わりました。それは良いステップでしたし、おそらく最終的には他の組織と同じように自主経営へと進む過程で、やがては取締役会も解散していくはずです。固定メンバーによる意思決定はもはやナンセンスで、固定的なメンバーではなくその都度適した人たちが集まって、意思決定を行うのです。逆に組織によっては多くの時間を社員全般ではなく経営陣に割くこともありますが、変革に乗り出した組織の大半は並行して働きかけます。CEOは経営陣のみならず、賛同者や最初の支持者たちそして組織全体にも働きかけるのです。詳しくは次の動画で語ります。

考えれば当然です。経営陣にだけ働きかけても組織は何も変わりません。しかし最初に支持してくれた社員にも働きかけ、組織の可能性を広げるための権限を与えると、その変化を目指す突き上げが経営陣を揺るがします。それは良いことです。なぜなら経営陣が自問を始めるからです。今後の役割は? どう反応する? 変革に賛成? 反対? 2つの階層へ同時に働きかけることが大切です。

それからもちろん、階層主義的な働きかけはやめましょう。“まずは経営陣からで他は後回しだ”と言うのは目的に反することです。皆さんに幸運と楽しみが待っていることを祈ります。経営陣への働きかけは大変な時もあるでしょう。これは生涯にわたる長い冒険の始まりなのです。

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