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5.Striving for wholeness

5-9 全体性についてのグラウンドルールをつくる(A document with ground rules for wholeness)

全体性が見事に根づいた創造的な企業を巡った結果、興味深い事実が分かりました。
詳細な文書を作成している組織が複数存在したのです。全体性に対する独自の定義や、グラウンドルールや慣行を記したものです。

従来、組織は運営において自分たちの価値観を定義することが多いですが、大抵は空回りに終わっています。
“我が社の価値観は敬意・団結力・革新”
そんな定義を社員の大半は覚えていません。形骸化しているのです。

価値観が根づいた組織も一部にはあります。でも、大きな進化を遂げる組織は、価値観の設定以外の慣習も持っています。多いのは“根本となる前提の共有”ですが、この話は前の動画でしました。また一方で、とても具体的なルールを設けています。
“人と どう接するべきか”
“こんな接し方は組織として望ましくない”
“なぜなら 自分をさらけ出す空気ではなくなり、恐怖や羞恥心を感じさせてしまう”
“それは避けましょう”

ぜひ試してみてください。どこかの時点で実践するべきです。納得のいく前提やグラウンドルールを探求してみましょう。

グラウンドルールの例をいくつか紹介します。まずは典型的なルールです。
ワークショップや研修や合宿でよく推奨されるもので、“自分を主語にして話すこと”です。あるいは“人の話を遮らないこと”。相手を主語にして話すとたちまち批判的になるので、“私”が主語なら自分の思いを率直に伝えられます。

これらはよくあるグラウンドルールや慣行ですが、さらに踏み込んだものもあります。その一例が著書で紹介したRHDの慣行です。
彼らは怒りへの対処や組織内で許容されない事柄について学びます。人を辱める言葉や態度について話し合うのです。
“否定的な陰口”
“追い出すことの脅し”
“他者の現実の否定”
“脅し”や“怒りの爆発”
など、詳細な言葉に落とし込んで共有します。“どんな要素が不安な環境をつくるか”を学ぶのです。

いろんな組織を参考にしながら、自分たちのグラウンドルールを作成しましょう。
“こんな風に接しよう”
“こういう振る舞いはやめよう”
という風にです。

文書化は志願者グループに任せても構いませんが、可能なら組織全体で取り組む方がいいでしょう。でないと、作成者たちにしか理解できない文書になりかねません。なのでできるだけ改良していきましょう。
1日それについて対話するイベントで、たとえばグループごとに草案をつくり、全体に共有して練っていく。これを繰り返せば、全員が内容を理解できます。

言語化し文書にするのは、強力な実践方法です。ただし“文書化して終わり”ではいけません。人は読んだものを忘れてしまうからです。

そこで課題になるのが、ルールを組織慣行にどう根づかせるかです。
その解決策はぜひチームやワークショップで考えてください。この文書の内容を実践するにはどうすればいいでしょう。

『ティール組織』の全体性に関する章でも、ミーティングの慣行を変えた組織をいくつか紹介しています。チェックインや沈黙の時間を設ける所もあれば、ハイリゲンフェルトではベルを用意して、場の雰囲気がピリピリした時に鳴らしています。いずれも組織の日常にルールが息づいています。
あるいはオンボーディングでルールを学ぶ機会を設ける組織もあります。人事プロセスや勤務評価でも実践できます。熟練のファシリテーターを呼ぶのもいいでしょう。難しい会話を持つ場合には助けてもらうのです。
方法はさまざまですが、文書化が目的ではありません。慣行を実践する際に参照するための文書です。

無事に根づいたら、お祝いしてください。
自分たちの理想の接し方を確立できたのです。その接し方の素晴らしさや、そうした改革に取り組んだ自分たちの組織を称えましょう。

時には肩を叩いて労うことも必要です。自分が設けた基準を満たせない場合もあるでしょうが、それは誰だって同じです。
それでも理想の接し方を具体的な言葉で共有するのは、素晴らしいことです。

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