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5.Striving for wholeness

5-7 グループにおける全体性の事例(Examples of wholeness in group settings)

よくこんな質問を受けます。
“全体性を最初に実践するのはどんな場面がいい?”
そうした質問には多少の不安がうかがえます。変わった取り組みだと思われないか不安なのです。

ですが、こう考えてください。全体性は奇妙で難解なものではなく、人間の自然な姿なのです。
親友に自分を見せるのと同じです。やり方は誰もが知っていて、なじみ深いものです。どんな状況のグループにも全体性を持ち込めます。

いくつか事例を紹介しましょう。私が調べたところ、さまざまなリーダーが心地よい集まりを設けることから始めていました。
たとえばグループでのランチや朝食が挙げられます。誰でも参加でき、リーダーと直接会えるのです。共通しているのは、アジェンダを設けないことです。
参加者は質問や意見を自由に発言できます。普段と違う環境で自分の考えを話せるのです。参加者の感想は上々です。
“リーダーの新たな一面を知った”
“気さくで話しやすかった”
そんな機会を設けるのはお勧めです。

全員参加の集会を選ぶリーダーもいます。
たとえば四半期決算の集まりです。全メンバーで決算を総括して、気軽に質問してもらうのです。全体への強力なメッセージになります。
“壁を取り払うから何でも聞いてくれ”
どんな質問も許されるなら、社員も安心です。上司から安全だと示せば、社員は安心して何でも聞けるのです。

他によくある例としては、特定の課題について1日ワークショップを行うことです。
そうすることによって、ある種の空気が醸成されるのです。交流を促すために基本ルールを設けたり、ファシリテーターを呼ぶのもいいでしょう。
ワークショップの課題としては、“アジャイルな組織”や“リーンな組織”を目指したり、あるいは戦略を検討したり、大規模な製品開発に向けた準備など、さまざまです。
こうしたワークショップはリトリート(合宿)のような機能を果たし、いつもと違う人付き合いを体験できるのです。

現実的な問題解決の場に全体性を呼び込む例もあります。
組織内で問題や対立が起きた際に、ミーティングを開いて議論するのです。事態の原因や解決策を模索します。
そういう場面は緊張感が高まりやすく、不協和音のせいで恐怖心も生まれがちです。そんな時に新しい議論の方法を導入することによって、全員で難題を解決できれば、その素晴らしさに気づくでしょう。ここでもファシリテーターを呼ぶと効果的です。

またはトレーニング形式でも行えます。トレーニングも全体性の導入に適しています。
私は著書でハイリゲンフェルトの慣行を紹介しました。彼らは集中トレーニングを行います。1~2週間に1時間半ほど、メンバーたちが一堂に会して毎回素晴らしい時間を過ごすのです。内省と全体性のための時間です。みんなで1~2週間おきに、1時間半ほど素晴らしい時間を味わうのです。

当然ながら、あらゆる人事プロセスもお勧めです。
たとえば、採用や実績評価やオンボーディング。そういった事柄をつくり直すことで組織として全体性を得られるのです。

経営会議がある組織ではトップから導入することもあります。人との新たな関わり方をトップから取り入れるのです。
まずはトップのグループで試してから周りの人たちを誘っていくのです。

また別の組織の例としては、文字通り職場のとなりで全体性を実践する方法もあります。普段の業務と直接は関係しません。
フランスに本社を置くグローバル企業では、工場内に特別なラボを設けています。そこは設備が充実した工房で、幅広い部門の社員が定期的に集められます。一般社員、管理職、財務担当などが一致団結して、1週間かけて試作品を開発するのです。共に遅くまで作業し、ピザを食べ、酒を飲む。
そうやって階層を横断して社員同士が交流するのは、ほとんど未知の体験です。普段とは違う空間だからこそできることです。

本で紹介したようにコロラドにあるサウンズ・トゥルーという会社では、各自が特技を披露するイベントを年に一度、開いています。ジャグリングや歌などいろいろあって、仕事仲間の新たな一面が見られるのです。

とにかく方法は山ほどありますし、どんな場面でも実践できます。この動画が何かのヒントになれば幸いです。

大事なことは1つです。誰もが安心して自分を出せる環境をつくってください。

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