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4-4.Self-management: typical issues

4-4-3 自由は享受し責任は負わない同僚(Colleagues take the freedom, but not the responsibility)

今回も自主経営を目指す多くの組織が経験する問題を紹介します。その問題とは、与えられた自由は享受するのに付随する責任は負わない同僚がいることです。
いくつかの動画で話してきましたが、典型的な問題なので改めて話しておきます。ストレスの溜まる問題です。まるで、こう言われているようです。
“あなたのメンバーたちは自主経営できるほど成熟していない”

前にも話しましたが、私が出合った事例を2つ紹介します。1つは病院です。
そこの看護師のチームは人員が多すぎて仕事の効率が落ちていました。時間の余裕がある一方で、他の多くの看護師チームは業務に必要な人員が足りず苦しんでいました。人員の多いチームから他のチームへ異動をおこなうべきでした。
でも“人が多すぎるから誰か他へ移ってくれ”と頼むと、“人なんか余ってない”と言われたのです。これは病院のCEOにとって実に困った問題でした。

もう1つの例を紹介します。急速に自主経営に移行した中国の組織の例です。
その組織が最初にしたことはタイムレコーダーの撤去でした。今後は勤務時間をチェックしないからです。
すると創業者のCEOには不満な結果となりました。午前11時にチームを訪ねると誰もいなかったのです。まるでチーム全員に責任放棄されて、自主経営の自由の部分だけ享受されたようで苛立ちました。

こうした問題の核にあるものは前に話した通りです。
おそらくこれらのチームは、自分のした仕事の結果が周りに与える影響を知ることから守られているのです。クライアントや組織の同僚たちへの影響です。
組織内の周りのチームが痛みを感じているのに、当のチームは感じていない。

看護師のチームの例で言うと、他のチームが人員不足でもそのチームは痛みを感じない。他のチームが不満を伝えた相手は、当時、移行途中で存在していた看護師長とCEOでした。なので彼らも痛みを感じましたが、問題のチームは痛みを知らなかった。

中国の事例の場合、問題はデザイナーのチームでした。
彼らのデザインの完成が遅れ始めたので、他のチームが痛みを感じていました。しかしうまく連携ができておらず、問題のチームのメンバーはとても遅い時間に出社し、他チームに痛みを生んでいると知らなかったのです。

この場合の解決策は、クライアントや関連する他のチームに直接さらされることです。

何かが起きればチームの誰かが痛みを感じる。
彼らは痛みから逃れられず、守られることもない。
いい仕事をすれば周りに喜んでもらえ、悪い仕事をすれば周りに痛みを生むと知ります。

それを知ればマネジャーの介入は不要になります。そしてメンバーは自然と仕事に没頭するようになります。自主経営では何度も目にすることですが、人はそれぞれプライドを持ってマネジャーがいる時よりもいい仕事をするようになります。
自分の仕事の結果を守ってくれる人が誰もいなければ、自然にプライドを持ち、期待をはるかに上回る仕事をします。

これが対処法です。
4~5本の動画で紹介しているのでぜひ参考にしてください。4-1-11から始まる動画でより詳しく説明しています。

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