ビデオシリーズ

Video Series

ホーム > ビデオシリーズ > 4-2-10 経営チームはどうなる?(What to do with the executive committee?)

Top page

4-2.Self-management: getting started

4-2-10 経営チームはどうなる?(What to do with the executive committee?)

長い目で見れば自主経営に移行する中で、経営チームは消滅する運命にあります。4-1-21の動画でも触れました。
“トップのチームは必要?”
大抵の場合答えは“ノー”です。自主経営を実現した組織には、全体の調整役など要らなくなるからです。

ただしすぐには撤廃できません。今はまだ重要な役割を担っているからです。私が考える重要な役割は2つ。
その1 トップのチームは組織全体を統率して結果に対して最終的な責任を負うこと。
その2 組織に全体像を提示し組織全体をまとめることです。

とりわけ機能別組織においては、トップだけが一貫したビジョンを持っています。経営チームは組織で唯一、運営・財務・マーケティング・人事などあらゆる視点が集まる意思決定機関です。
多角的に検討して賢明に決断を下しているのです。

では、いつトップを解体できるのか?

第一に彼らのコントロールが不要になったときです。
前も話しましたが、目指すは自己修正できるチームを作ることです。そうすれば強権的なチームをなくせます。

第二に、調整機能がどのレベルでも働くようになったときです。
たとえば助言プロセスが浸透すると、組織における自分の経歴を問わず、自発的な取り組みをしたければ助言プロセスに基づいて適切な相手に話を聞けます。
そうやって調整がなされトップに判断を仰ぐ必要がなくなります。

だからよく観察してください。
システムでコントロールできているか?
助言プロセスなどがシステムに組み込まれてトップ抜きで調整できる?

鶏と卵の関係と同じで、準備が整う前に経営チームをなくす方が役立つこともあります。自主経営への移行を促す契機になるからです。
逆に安全を重視して、準備を整えてからなくすのも手です。
どちらを選ぶかはあなた次第です。どのくらいリスクを負うかによります。

では自主経営へと導いていくには何ができるでしょうか?
まだ経営チームが必要だと感じる場合、何ができるでしょう?

できることはいろいろあります。1つは深い対話を持つことです。
オフィスとは違う場所でファシリテーターに来てもらい、経営チームに自主経営について語り合ってもらいましょう。
何に不安を感じ何が自分の考えと衝突している?
このやり方については3-5の動画でも詳しく語っています。

もう1つ大事なことは、経営メンバーと個別に話し合うことです。自分がCEOや上の立場の人間なら、メンバーと個別に話して境界を明確にしましょう。
自主経営やビジョンに反する行動をとる人がいたら、指摘して妨害をやめさせ選択肢を提示するのです。向こうから歩み寄って理解してもらうか、そうでなければ組織の外に居場所を見つけるかです。あるいは社内で専門家や顧問的な役割に就く。それで幸せになる人も大勢います。
ただしヒエラルキーとは決別してください。自主経営への移行と矛盾するからです。

もう1つできることがあります。経営チームがすべての意思決定を助言プロセスで集まるグループに託すのです。あるメンバーがこう言うとします。
“私たちはこの人事方針を見直したいと考えます”
このとき経営チームは意思決定する代わりにシンプルにこう言うのです。
“助言プロセスを使って決めてくれ”

また別の方法としては、決定会議の頻度や時間を減らすことです。
週一で半日か全日やっているなら、隔週か月一に減らします。すると必然的に優先順位を考えねばならず、新たな意思決定方法を試さざるを得ません。助言プロセスもその1つです。

他にもユニークな方法があります。経営会議に椅子を2つ多く用意するのです。
そして組織全体に“早い者勝ちで経営会議に参加できる”と呼びかけます。ただし対立を生みそうな議論や機密性の高い議題の場合は、退出を求めて構いません。
これはとても効果的です。誰もが経営会議に参加できる。
多くの組織でよく聞きますが何度かすると誰も来なくなります。“他の退屈な会議と同じだ”と気づくからです。

あと1つできることは、経営会議の様子を包み隠さないことです。
会議が終わったらすぐに、組織全体に決定内容を報告しましょう。携帯で撮った程度でもかまわないのでイントラネットに流すといいでしょう。
“経営会議でこんな議題を話し合った”いずれにしろ非公開はいけません。

以上が経営チームへの考えです。いずれは消滅するものですが適切な時期を見極めてください。それはシステム自体にコントロールが組み込まれ、トップ不在でも調整できるときです。
そうした方向へ進むためにできることをじっくり考えてください。

RELATED TAGタグで調べる

RELATED KEYWORDキーワードを詳しくみる

Others

その他お知らせ