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5.Striving for wholeness

5-5 1対1の会話で全体性につながる(Inviting wholeness in one-on-one conversations)

今回は1対1の会話における全体性についてお話しします。
あらゆる形の会話でも変えることができます。たとえば堅苦しい打ち合わせや、廊下で誰かと立ち話する場面、コーヒータイムの雑談でも全体性につながれるのです。
私にとってはもはや当たり前のことなので、全体性につながる会話でなければ参加する気も起きません。

その時、求められるのが自己認識です。前回の動画でお話しました、自分の状態を知る必要があります。
内に閉じこもって過敏に反応し、恐れを抱いている?
それともオープンで積極的に探求する状態?

ここで特に大事なのは、自分だけでなく相手の状態にも耳を傾けることです。その際、とりわけ重要なのはシンプルに言葉の奥にあるものに耳を傾けることです。
自分と同じく相手もオープンで受容的か、それとも逆に心を閉ざし過敏で批判的か観察するのです。

私は、あることに気づきました。人は心が閉じていて恐れを抱いていると、会話の内容に集中できなくなるのです。
そして理性的な会話をしているふりに終始します。その会話に対して心を閉ざしているからです。

そんな時に使える、手軽で強力な対策があります。相手の気持ちに対する自分の気持ちを表現するのです。

私なら率直にこんなことを言います。
“その言い方 何か不満があるように感じるけど”
あるいは“諦めの空気を感じたよ”とか“疲れてるようだね”などです。
相手は深く理解してもらえたと感じると、たちまち打ち解けてくれるでしょう。すると隠れていたことが一気にオープンになって、本当の会話が始まるのです。

これはとてもシンプルな関わり方です。まず、内容について話すのをやめて、相手から感じたものを言葉で伝えるのです。加えて、自分が感じたことも素直に話しましょう。
“自分の話が受け流された気がして心を開けなかった”
そう打ち明けると気分がほぐれ、会話に戻れます。

別の動画でトスカーナというコミュニティを紹介しています。彼らの事業は本当に素晴らしく、この旅に取り組む企業を力強くサポートしています。彼らはこのような関わり方を“共鳴”と呼びます。

具体的には相手から受けた印象を素直に伝えるだけです。
“あなたは、こう感じているように思う”
と伝える。これは、とても効果的な方法です。彼らはその慣行をこう呼びます。“変化を生む装置の核”。このシンプルな慣行こそが変革の核なのです。

どの1対1の対話でもこれを推奨します。お互いの心が閉じていると感じたら、議題を進めたりせず“会話のふり”をやめましょう。そして、心を閉ざしている状況自体を話し合うのです。

全体性はどんな会話でも実現できます。
この旅において特に興味深いのは、変化への抵抗に出合う時です。全体性の概念さえ不快に思う人がいます。本音を出すことに慣れないのです。
組織が自主経営へ向かっている際にも当然、そういう抵抗に遭います。それらを“変化への抵抗”と見なしてしまいますが、それは一種の決めつけです。

だから相手が変化を嫌がっていると感じた場合、私なら、そうした抵抗から抜け出すことを目指します。会話を通して抵抗を解消するのです。

方法はとても簡単です。相手の抵抗に対処するには、目の前の現実を相手と一緒に認めることです。
“あなたには新しいことでつらいことでしょう”
“苦しむあなたを見て、私もつらいです”

それでいいのです。ただ現実を認めましょう。他に必要なことはありません。そう語ることで、深い部分に届くのです。
解決策よりも大切な何かに触れることができます。そうした会話をもつだけで、人間は心を開きやすくなります。
こちらが上からの力によって強制する必要はなく、いまここにある関係性を認めるだけで十分です。

これが私が提唱する方法です。
ぜひとも、すべての会話を全体性が実現された会話に変えていきましょう。

馴れ馴れしく話すのではありません。それは全体性を誤解しています。
全体性は、どんな会話でも実現できます。ビジネス、技術、財務、マーケティング、どんな話題も全体性を感じながら、開放的に語れるのです。誰かが閉じた状態になった場合、その空間をつくり直せば、実のある会話ができます。
馴れ馴れしいどころか、これこそが唯一、生産的な会話をする方法です。

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