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5.Striving for wholeness

5-1 あなたにとって全体性とは?(What does wholeness mean to you?)

“全体性”に関する章の最初の動画です。これから語っていく“全体性”は『ティール組織』の2章分を基にしています。この章で私がみなさんに紹介するのは、素晴らしい組織が実践してきた実例です。社員に呼びかけて会社で自分らしさを最大限に発揮してもらい、自分を出しても安全だと感じられる場にする試みです。そこでは多くの組織で慣習となっているような、“仕事用の仮面”をつけずに済みます。仕事をしながらどう見られるかを気にしたり、イメージ作りに尽力する必要がありません。それをしなくていい環境はとても安心です。ありのままの自分でいいのだと感じられます。

つまり組織に自分をさらけ出せる場所があると、メンバーは仮面で自分を隠すことがなくなり、大きな活気が生まれるのです。ありのままの自分を余すところなく発揮し、エネルギーや創造性や情熱を抑え込んだり、仮面で隠したりしなければ、たちまち素晴らしいことが起きだします。自分なりの情熱や創造性を安心して発揮できるからです。

さらに言えば、こうした組織のメンバーは自分らしく働けるのみならず、周りとの関わり合いを通して自分の全体性を醸成したり、自分の新たな一面を発見したりします。素晴らしいことです。より自分らしく魅力的になり、知らなかった自分に会えます。人間は社会的な生き物なので、適した環境を整えれば、環境がこちらの新たな一面を引き出してくれます。私の言う全体性とはそういうものです。

この動画ではあなたに尋ねます。“あなたにとっての全体性とは?“”どんな形を想定している?”なぜなら私は強く確信しているからです。組織が全体性を得るためには、全体性とは何かを明確に定義する必要があります。“自分が求める全体性とは何なのか” 定義しないと漠然とした概念のままです。質問はたくさんあります。それを通して考えてください。これを見ながら考える人は紙と書くものを用意して、その都度 動画を止めながら私が投げかける質問に答えてみてください。では始めましょう。

最初の質問はシンプルです。忘れられない記憶や感覚はありますか?身体や心に刻まれて忘れられないほど、ありのままの自分でいられた瞬間です。のびのびと自分らしくいられ、どう見られ、どう思われるか、何も気にしなかった。そんな時を思い出せますか?職場かもしれないし、愛する人との時間かもしれない。親しい友人との時間かもしれません。参加した研修でのことかもしれないし、ワークショップやリトリート合宿かもしれない。あなたはどういう場面で、自分自身にも。相手に対しても、すべてをさらけ出しましたか?良い部分も悪い部分も含めてです。そんな時を覚えていますか?

2つ目の質問です。自分をさらけ出せたときの感覚を思い出したうえで、あなたの組織の日常を振り返った時、何を望みますか?あなたは組織にどうあってほしいですか?どんな全体性が理想でしょう?現実に即した具体例を考えましょう。たとえば私なら、組織に望むものは真のつながりです。私の考えではたいてい会話や会議を持つと、関係性に素晴らしい変化が生じます。私の場合、その変化はハグに表れます。素晴らしいミーティングだったのに、“じゃ お疲れ”で終わるのは不自然です。“ありがとう 良い会だった”とハグしたくなります。これはハードルが高すぎて実行できない組織もあるでしょう。しかし実行できる組織もあります。考えてみてください“あなたの望みは何?”ハグでのつながりでなければ、あなたは組織に何を望む?

逆に“これ以上 組織に望まないものは?”いま組織のなかで起きていることのうち、安全に自分をさらけ出すにあたり何が障害になっているでしょう?具体的に考えてみてください。

4つ目の質問です。組織内ですでに自分を出せているのはどんな時?いまの組織のなかで、どんな状況や瞬間に自分をさらけ出すことができていますか?周りも自分を出しているのはどんな時でしょう?重要なのは“これまでとは違う”という誤解を解くことです。普段のちょっとした瞬間にも、全体性の例があることを伝えましょう。

5つ目の質問です。あなたは自分のどんな部分を隠そうとしている?どんな部分を仮面で隠している?どんな部分を見せないようにしている?たとえば私の場合は、怒りや不満を表に出すのがとても難しく感じます。組織に怒りや不満を感じてもそれを表現しません。良いことにも聞こえますが違うのです。自分を隠してしまっています。テーブルを叩いて怒鳴ってはいけませんが、怒りや不満があるならそれも表現したいものです。人によって隠すものは違います。おどけて、ふざけた一面を隠す人もいます。あなたはどんな部分を隠していますか?どうすれば そうした部分を見せられるでしょう?

最後の質問です。どんな不安がありますか?心をさらけ出してもらうにあたり、何か懸念はありますか?私が組織を率いていた場合、こんな不安を持つと思います。“まとまりのない会に終わるかもしれない”“終日、感情的に語り合って、目的を見失うかもしれない”あなたの不安は何でしょう?不安を特定したら偏見なく点検してみましょう。不安を否定して押し隠すのではなく、不安から脱却できる方法を考えるのです。

まとまりなく感情的な会になるとは限りません。基本的には自分をさらけ出すほど生産的になるはずです。感情的になっていると思ったら指摘すればいいのです。“感情的すぎるのはあまりよくありません”不安への対処はかなり簡単だったりします。

私が良いと思った質問を紹介しました。質問を足しても構いません。とにかく大切なのは、自分なりに全体性の意味を明確にすることです。組織に何を望み、何を望まないか。自分が全体性を体現し、全体性について語り、周りを引き込みましょう。答えるのが簡単な質問ではないので、信頼できるパートナーと取り組むことを勧めます。伴侶でも仕事仲間でもコーチでも、より深く議論できる相手と取り組みましょう。しっかり自分を掘り下げて、自分が望んでいるものを見極めましょう。周りと目指していく理想像を明確にするのです。

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