ビデオシリーズ

Video Series

ホーム > ビデオシリーズ > 2-9 変わらないアイデンティティ(Our identity that will not change)

Top page

2.Perspectives on the journey

2-9 変わらないアイデンティティ(Our identity that will not change)

変革は簡単なときも難しいときもあります。私生活においても変わりたいと思いながら難しいときがあります。

変革が難しい理由の1つは、見逃されがちですが、変革はチームや習慣といった“物事”だけでなく、どんな変革も基本的にある程度はアイデンティティや自己認識の変化を伴うからです。たとえば昇進だけが目標だった人がいるとします。しかし自主経営に変わり昇進という概念がなくなっても、素晴らしく創造的な仕事をしている。アイデンティティが変化したのです。“全体性”や“存在目的”でも同じです。職場での付き合いは仕事だと割り切る方が安心する場合もあります。そんな付き合い方を変えてより深く関わるのは、最初は怖いでしょうがこっちの方が自分らしいと気づくことも多いです。すると人生の他の場面にも影響が出てきます。なぜ他では自分らしくできない?家では?友達の前では?変革するとアイデンティティも変わります。

そこで大きな助言があります。リーダーが組織を変革の旅に招待するにあたり、すごく効果的なのは、変わらないアイデンティティについても語ることです。リーダーは新しい世界を目指すべく、すでにアイデンティティの変革を完了していますが、メンバーたちは完了していないのです。だから語り続ける必要があります。この先も変わらないアイデンティティとは何か?答えはさまざまですが、自分たちはどんな組織でどんな自負があり、どんな強みがありどんな歴史があるか。変革を経ても変えたくないような組織の財産とは何でしょうか?それを語り続けることが重要です。幸運な組織はすでにアイデンティティが明確で、自分たちのなるべき姿が分かっている。最初の時点から組織の創設者が自律的な組織を作っていて、成長と共に薄れたとはいえ立ち返る核を持っている。アイデンティティの種としてすでに存在しているのです。

ひとつ例を挙げましょう。ある組織ではメンバーが各自の“約束”をよく守る。それは組織の強みであり土台となっています。そのおかげで自主経営へと向かうことができている。各自が責任を果たすので序列やルールで強制する必要がない。各自が約束を守るという文化が土台にあるからです。それが1つの例です。

同じように、次の問いを考えるのも面白いはずです。すでに実現されている未来は?新しい改革に取り組むときは、アイデンティティの変化への恐れがあるかもしれない。そこでこう伝えるのです。“新しく感じるけど、実はもう組織内で実現されてる”その具体例を出しながら、もう実行しているし大したことないと語るのです。とても効果的です。

そして私は気づきました。不変のアイデンティティや実現している未来を語ろうと思いつくリーダーは少ないのです。何が変わるかについてはたくさん語ります。それもメッセージの一部として重要ですが、不変のものや既存のものは見落としがちです。そんなリーダーにはメンバーたちと多くの時間を過ごすことをお勧めします。店舗を回るなど会議以外でメンバーたちと会うのです。そこでの会話から掘り出しましょう。語るべきものをです。心から実感するものを見つけましょう。自分で理解し確信が持て目に見える要素をです。“これこそアイデンティティだ”。“変革前からすでに存在しこの先も変わることはない”。その発見は効果的なのでぜひ探偵になりましょう。組織を解明し語るべきものを発見すれば、変革を進めやすくなるはずですし、周りも参加しやすくなります。

RELATED TAGタグで調べる

RELATED KEYWORDキーワードを詳しくみる

Others

その他お知らせ