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2.Perspectives on the journey

2-15 コーチ・コンサルタント・ファシリテーターの役割(What roles for coaches, consultants, and facilitators?)

興味深い問いがあります。あなたが組織で進めている大きな変革において、コーチやコンサルタントやファシリテーターが担う役割は?面白いことに、変革の旅を進めるにあたり私が知っているどの組織も伝統的な大手のコンサル企業と手を組んでいません。それは論理的な結果とも言えます。大手コンサル企業の多くは達成型のオレンジ組織であり、組織を機械だとみなして変革は最後まで計画を立てて実行できると信じている。事前に計画を立ててから実行するのです。

しかし今回の変革は複雑なので計画ができません。だから私が話を聞いたどの組織も、従来型のコンサル企業と組まなかったのです。でもコーチやコンサルタントやファシリテーターには、もう役割がないと言うのは極論です。今回は旅の協力者について4つの視点を紹介します。

1つ目はコーチたちも手助けは可能だということ。英語ではピッタリの表現があまりないのですが、フランス語には良い単語があります。“アコンパニエ” もしくは“アコンパニエター”意味は一緒に歩いてくれる“同行者”です。いい言葉です。あなたの旅に同行してあなたと共に旅を楽しむ人です。そしてリーダーに外からの視点や専門知識やスキルを提供する。英単語だと少しニュアンスが違います。“コンサルタント”と聞くと、診断的で計画やパワーポイントのイメージです。“コーチング”も少しニュアンスが違う。突き放しすぎな語感があります。時々教えるという感じです。でも私は“同行”という考えが好きです。変革の道を一緒に歩いていくのです。リーダーと同じように前のめりの姿勢で変革の道を模索する人です。そこで重要になるのは、深いレベルでの信頼感があることです。名前は何でもいいですが“ファシリテーター”や“同行者”と組織やメンバーとの信頼です。なぜならリーダーが同行者に求めるのは真実を映す鏡だからです。耳に痛い真実を告げてほしい。だから組織のメンバーやリーダーのあなたが、たとえ嫌な真実でも信頼して耳を傾けられる相手であることが必要です。

2つ目の視点です。コーチは3つのレベルで組織と関われるはずです。第1はCEOの個人的な同行者。つまりCEOのパーソナルコーチです。変革時のCEOの役割については別の動画で語りました。しかしCEOはまだまだ負担が大きく、周りに旅の参加を呼びかけ、良心を持ちミスはきちんと認め、手本を示す必要がある。なのでCEOにもサポート役が欠かせません。それが1つです。CEOの信頼できる相手になり、CEOとアイデアを出し合い、時には厳しい現実を告げる役割です。第2は経営層との同行です。組織によっては、経営層でなく組織全体が変革を主導していますが、そうでない組織で大切なのはCEOだけでなく、他の重役たちが変革を理解することです。重役たちがバラバラのメッセージを発したり、変革に抵抗を示していたら、組織は混乱してしまいます。なので経営層との深い連携が必要な場合もあります。まったく理解のない重役もいるでしょう。CEOの目指すものを理解せず、いつ通常に戻るのか?なんて聞いたりする。だから理解を得るための機会が必要なので、外部の人間によるサポートは不可欠だと思います。第3は組織全体との同行です。多くの組織は変革にあたって大きな集会を開いたり、大体的に参加を呼びかけます。そうした場面でも外部の人間が誰にとっても安全な場所を作り出して話し合いを促せます。興味深いことに、この3つを同時にこなせる人はたくさんいます。それは素晴らしいことです。それができる同行者は心から相手に協力し、熱心で真に信頼の置ける人間です。そういう人はあるグループの話を聞いても、たとえば組織全体からや立ち話で意見を聞いても、その意見をCEOと話し合うときはどちらにも公平に語ります。コーチングの世界では、次のような考え方があるのも分かります。“CEOと組織全体へのコーチングを同時にやるのは無理に決まってる”それは確かにそうです。その人物が真に協力的でなく、難しい任務を遂行する力がないと不可能です。でもその能力があればとても効果的に片方で話し合ったことをもう一方に伝えられます。そんな風に、全レベルに対応できる人が必要な場合もあります。

3つ目の視点は、専門知識という考え方です。外部の人間であるコーチに求めているのは、主に意義ある対話の場を用意することです。しかし外部の人に専門知識を求めすぎることもあります。でもそれは自力で解決策を考える機会の損失です。優れた同行者というのは組織に専門知識を進んで教えるのではなく、組織にある強みは何かを探すものです。一方で極端な組織もあります。変革に関する答えをすべて知っているような態度で外部の専門知識を求めようとしない。それも極端すぎて愚かなことです。特に自主経営においては、答えがあるとも限りません。自主経営チームへと変わっていくには、習慣のみならず考え方の更新が必要で未知の領域なのです。多くの組織が苦労するのを目にしてきました。自分たちに適した方法を知る鍵がないのです。誰かが鍵さえ開けてくれれば自分たちで進んでいけるのです。専門知識は時おり適切に注入するだけにして、従来のようにすべてを先導しないことが重要です。難点は適した人材が多くないことです。新しい挑戦なので知識ある人が少ない。だからリーダーは同行者も学習中だと受け入れましょう。多少なりとも知識がある人やこの動画などの情報源を持っている人はとても重要な存在です。

4つ目のポイントは、別の動画で紹介したことと関連しています。好みと盲点に関する4象限です。人には好みと盲点があるとウィルバーの4象限モデルを用いて説明しました。コーチである同行者にも好みと盲点があります。ある同行者は個人的な話を深く掘り下げることを好み、リーダーの内面的成長や心の奥の意見に関心を持ち、システムや組織の慣行に注目しないかもしれない。別のコーチは反対にそうしたことが苦手で、リーダーを深い内省に導かないかもしれない。好みと盲点は意識するといいでしょう。なぜならリーダーも無意識に自分と似た人を選ぶ可能性があるのです。好みや盲点が似てしまい、自分と同じく内省好きのコーチを雇って、組織の慣行やシステムが盲点になったりします。好みと盲点は興味深いので2-2の動画もお勧めします。

以上が私の考えです。まとめましょう。リーダーが誰かの力を借りたかったとする。どうすれば適した協力者を見つけられるでしょう?協力を申し出る人は多くいるはずです。コーチやコンサルタントやファシリテーターは変革に熱心なクライアントを求めているからです。ではそこから適した協力者を見つける方法は?

4点を挙げました。1つ目は瞬時に直感的に信用できると感じる人です。心を許すことができ、厳しい内容でも率直に伝えてくれるだろう人です。安心して話し合え、意見に従ってもいいと思える相手です。“信頼できる人”が最初の視点です。2つ目の視点は、どのレベルに関わってほしい?トップの私と? 経営層と?組織全体への助言?あるいはその全部?それとも各レベルで別の人にコーチしてもらう?3つ目です。その人は次世代型組織の経験や専門知識を持っている?誰もが研究途上なので博識な人はいないでしょう。ならばせめてこちらの思いを深く理解し、一緒に学んでくれる人にしましょう。4つ目は好みと盲点を確認することです。自分と似た好みと盲点だったら、最適とは言えず効果がないかもしれません。これらの視点が役立つことを祈ります。旅の同行者となり共に歩み共に築いていく人が見つかることを祈ります。

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