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4-3.Self-management: teams, colleagues and former managers
4-3-7 自主経営におけるメンバーのトレーニング(Training team-members in self-management)
チームやメンバーが自主経営に慣れるには、時間を要します。数年や数十年ものあいだ、階層的な組織にいたからです。
移行を容易にする方法として、トレーニングが非常に有効です。トレーニングを導入する際の注意点をいくつかご紹介します。
1つ目は、とてもよく聞く質問です。
“自主経営やティール組織用のいいトレーニングはある?”
これは率直に言って、ひどい質問です。なぜなら 常に目を向けるべきなのは、どんな緊張関係や問題をトレーニングで解決したいかです。訓練法は状況によって違います。
メンバーが優しすぎて相手に責任を求めないケース。
従来型経営の影の部分が再発したケース。
自主経営での働き方に皆が混乱しているケース。
皆が仕事用の仮面をかぶり、互いに関与しないケース。
従来のように恐怖が支配しているケース。
ケースによって、トレーニングのアプローチが違います。そのため、最初にチームに確認してほしいのが“何に取り組むべきか?”です。
2つ目の注意点は非常に重要なものです。
どれも重要ですが特に重要なのが、トレーニングと実務を融合させることです。
トレーニングというと頭で学ぶ抽象的なものが多いですが、実務に結びつかないのはナンセンスです。
常に心がけてほしいのは、トレーニングを実際の業務を行う機会として見ることです。トレーナーという恩恵がある間に内省し、経験から学んでほしいのです。
ある組織から聞いた話を覚えています。
そこではメンバーが優しすぎて、相手に責任を求めない状態でした。そこでトレーニングを通して説明責任の持ち方や、フィードバック法を伝えました。
しかし私が面白いと思ったのは、その場で説明責任に関して話し合われたことでした。考え方を学びつつ、実践が始まったのです。
なるべくトレーニングでは新しい慣行を定義したり、実践する機会を設けましょう。新しい意思決定や紛争解決や説明責任のあり方を試すのです。
それらをトレーニングにうまく取り込み、メンバーと実際に行うことが重要です。
あるいは、チーム内に依然として“マネジメントの影”がある場合。つまり元マネジャーが昔と同じように行動している場合、有効なトレーニングは役割や意思決定法を伝えつつ、それを実務に絡めて考えてみることです。
チームが以前よりもうまく役割を定義したり、実際の意思決定で助言プロセスを試したりすることができます。
3つ目に考えてほしいのは、トレーナーを探す際の注意点です。
従来とは異なる姿勢でトレーニングを行える人にしましょう。従来のトレーニングは階層型モデルに向けたもので、トレーナーは進展が分かっているプログラムをそのままメンバーに押し付けます。
でもこの場合、必要なのは“共創”ができる人です。チームが格闘している問題に耳を傾け、臨機応変に自身の経験に基づいて、理論と実務演習の両面からトレーニングを提供できる人です。
つまり、トレーニングやトレーナーの姿勢自体が自主経営の本質を体現した見本なのです。
4つ目です。すべてのトレーニングが全体性の見本を示し、実践する機会です。
すべてのトレーニングは、安心で聖域のように感じる場になります。
そこでは、自主経営への移行の大変さについて話し合えます。
自分の気持ちや内面の葛藤を打ち明け、アイデンティティの変化を語れます。
また希望や願望についても話せます。
驚くに当たらずいい兆候なのですが、トレーニング中に感情があふれて涙が出ることもあります。それは涙や感情をさらけ出すということです。
トレーニングというものは仮面を脱がせ、全体性を根づかせる神聖な機会です。
また、すべてのトレーニングは要望に応じてつくられるべきです。
自主経営に移行するチームは、人事や移行担当チームがあらかじめ用意した、決まったトレーニングを受けるべきではありません。
私はメニューのように各種取り揃え、チームの要望に合わせます。実際に苦しんだ問題に対応するトレーニングが理想です。想像上の問題ではなくです。
最後に注意すべき点は、求めるものを実践しながら学ぶだけでなく、不要になったものを言葉にすることです。
従来のモデルが不要だと口にするのは、チームの役に立ちます。
フェルメールとウェンティングは、ビュートゾルフのトレーニングに携わりました。そこでは不要になった役割に名前をつけたのです。
たとえば“反体制派の抑圧者”。いろんな意見が出るのを嫌い、すぐ合意に導びこうとする人です。“それじゃうまくいかないドラゴン”は、すべてを定義してルールにしたがる人です。
チームに不要なものについて話すのは楽しいですし、チームも自覚できるようになります。
“不要なことをしてしまってる”
他にも多くの注意点がありますが、その中の5つほどを紹介しました。
トレーニングは非常に有効です。でも、従来の人事の押し付け的な、事前に考えられた理論だけのトレーニングは避けてください。
自主経営の思想を体現するような、カリキュラムとプロセスをつくっていきましょう。
4-3.Self-management: teams, colleagues and former managers
4-3.自主経営におけるチーム・同僚・元マネージャー
- 4-3-1 役割を振り分けてマネジャーを置き換える(Distributed roles replace the manager)
- 4-3-2 元マネジャーはどうする?(What about former managers?)
- 4-3-3 マネジャーの役割を維持する場合(If you’ll continue having manager roles)
- 4-3-4 誰に責任がある?(Who is accountable? )
- 4-3-5 チームで責任を担うなら誰に電話をかける?(If a team is accountable, who do I call?)
- 4-3-6 説明責任とピア・プレッシャー(Accountability and peer pressure)
- 4-3-7 自主経営におけるメンバーのトレーニング(Training team-members in self-management)
- 4-3-8 自主経営の痛みを語る空間(Spaces to talk about the pain of self-management)
- 4-3-9 チームのチェックイン・セッション(Team check-in sessions)
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