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4-3.Self-management: teams, colleagues and former managers

4-3-4 誰に責任がある?(Who is accountable? )

責任についてお話しする重要な回です。
自主経営のチームにおいては誰が責任を持つのか?

責任には2種類あります。

責任の多くは役割に付随しています。
もし私の役割の1つがトレーニング会場の予約だとして、予約に失敗したとしたらその責任は私にあります。この場合は自主経営でも責任の所在は明白で、他の組織と同じ形です。
しかし決算報告や損益の責任に関して、または質に関しては、個々の役割ではなく集団的な取り組みの結果だと言えます。
では、その場合、誰に責任があるのでしょう。

まず誰かが責任を持つことが重要です。
驚くことに、よく遭遇するのは非常に甘い考えからメンバーを信頼して、結果をなすがままにすることです。

これまでの動画で語ってきたように、重要なのは何が健全な状態か把握しておくことです。不健全になれば自己修正できます。
だから責任を持つのも必要ですが、それが機能していない時、誰と話して自己修正するか明確にしておかねばなりません。

では誰と話せばいいのか?選択肢があります。その場合、中間はありえないと理解しておく必要があります。
従来、その責任は1人の人間にありました。チームの結果に責任を負うのはマネジャーで、業績や仕事の質などに責任を持つのです。しかしマネジャーの私が全責任を負うなら、参加メンバーを上から動かす権力を要求することになります。自分に責任が課されるなら、私は人を動かす権限を持ちたい。

一方、自主経営では個人の責任からチームの責任へと抜本的に変化します。

ビュートゾルフでは1チームに10~12人の看護師がいて、チームが結果に責任を持っています。1人が責任を負うことはありません。中間はありえないとは、そういう意味です。
つまり、自主経営に移行したのにチームの1人が代表して責任を持つことはありません。

しかし、この中間状態は多くの組織で目にしました。
“マネジャーを独裁主義的でないコーチにしたい”
と言うのですがそれは無理難題であり、“仏陀になれ”と言うようなものです。まるで矛盾した命令なのです。

“結果が悪ければ、それはあなたのせいだ”
“でも押し付ける形で人を動かすのではなく、ただ参加を促すのです”
それは矛盾しています。自主経営に移行するとコペルニクス的転回が起き、結果に責任を持つ単位が個人ではなく、結果を作ったチームになります。

これは驚くべき変化です。また強力な変化です。

旧体制でチームメンバー12人と、マネジャーがいたとします。そのマネジャーとチームのつながりは弱いものです。
メンバーは結果が悪くてもあまり気にせず、マネジャーに指摘されても特に響かない。マネジャーは介入することもあれば、しないこともある。

一方、今は10~12人のメンバーが結果を気にして“もっとうまくやらなければ”と声を上げたり、“いい結果だけど もっとできる”と言うのです。システムがより強力でしなやかになるのです。
それは自主経営の基本の1つで、集団全員が責任を持つため、自主経営に移行すると責任のレベルが急上昇するのです。

組織のトップでも同じです。
依然として経営チームがあるとします。それで本当に責任を感じられるでしょうか?依然として元CEOがいて転回が起きていない場合、メンバーはどうやって集団で責任を感じるのでしょう。
この点こそが大きな変化です。

ぜひ、すべてのチームと会って聞いてみてください。
“結果に責任を感じる人は?”
結果が悪い時でも1人の代表と話す必要はなく、チーム全体と話せばいいのです。

ある種の自主経営においてはちょっと事情が違い、たとえばソシオクラシーやホラクラシーにおいては、実績評価や責任に関してこうするべきだと命令することはありません。
でもたとえばホラクラシーではリードリンクという人がいて、その人が責任を担っています。チームが大きな目的に向かっていくことへの責任です。そのためリードリンクには権限が与えられねばなりません。個人で責任を負うなら、相応の権力が必要になります。リードリンクが役割を割り当てたり、仕事の優先順位を決めたりします。

そのため、ビュートゾルフのように個人でなくチームで責任を持つのはやはり大きな革命であり、注目に値すると思います。

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