ビデオシリーズ
Video Series
share
Top page
3.starting the journey
3-12 組織の将来を明確にイメージする(A precise image of the future organization)
変革に乗り出そうとするリーダーと話をする際、私はよくリーダーと一緒に大きな紙を広げて、きわめて具体的な将来像を考えます。自主経営チームは将来どんな形になるか、主要なプロセスや役割のみならず評価や意思決定の方法など大きな紙に細かく書き出します。これを聞くと人によっては“本気で言ってるの?”と不審に思うでしょう。“部屋で考えるだけで未来の組織が作れるの?”ごもっともです。私も未来の組織が紙に描いて実現できるとか紙に描いて検討すべきとは考えていません。リーダーと密室で検討すべきとも思っていません。
なのに、なぜやるのでしょう?将来像を定めるためではありません。願わくば、紙に書き記した像を実行してほしくありません。それにきっと現実は想像通りにはいきません。こうして将来像を考える目的は、安心感や希望を与えることです。“自主経営”や“全体性”そして“存在目的”といった考え方は、かなり先鋭的で目新しいため、慣れていないのです。私と一緒に将来像を考えたリーダーたちは、心は準備できていてもどんな未来が待っているかは想像できていなかった。そういう状態は不安で落ち着きません。ボートを押して海に出ていくのは難しい。想像もつかない未知の場所を目指すのは大変です。だから紙に将来像を書くことで、純粋に安心感が得られます。向こうに岸や陸地があると分かればこう感じるはずです。“これなら自分にもできそうだ” “想像通りでなくても何とか形になるだろう” “難解ではないから舵取りできるはずだ”大切なのは将来を想像し安心を得たら、その将来像を忘れることです。ただ安心して旅に乗り出しましょう。進めば陸があるのです。
具体的な例を紹介しましょう。病院の例です。その病院が取り入れたかったのが自主経営チームでした。看護師の階層は無くしながら統括する看護師長は残しました。法的に必要なだけでなく、階層も師長も存在しないなど想像できなかったからです。そこでリーダーと一緒に変革に必要なステップを書き出すことにしました。採用や業務の質の管理、それから人材配置、朝に欠員が生じたらどう看護師を補充するかや生産性の管理などです。そのうえでチームがすべきことと、看護師長がすべきことを区別する。そういう詳細が見えれば安心するのです。“自分たちにもできるしやらない理由はない” 私が語っているのはひとつの提案です。無事に安心感を得たら将来像は忘れましょう。自分もできると分かればいいのです。
将来像を考える際に役立ちそうなのが、専門知識がある人を呼ぶことです。こうした分野に詳しい人でコーチやコンサルタント経験者や自分も組織で変革を経験した人がいいでしょう。なぜならチームには情報や技術が足りないからです。しかし他の方法で学びながら将来像を考えることもできます。ビュートゾルフやFAVIのやり方を社員と研究したり、私の本などで知識を深め自分の組織に当てはめてみるのです。
3.starting the journey
3.旅をはじめる
- 3-1 旅の前に信頼を築く(Building trust before you start)
- 3-2 考えやメッセージをテストする(Test your perspective and message)
- 3-3 良心に照らして考える(Your integrity is a flashlight)
- 3-4 ただの人間に戻る(Return to being a mortal)
- 3-5 経営陣を巻き込む(Engaging the top team)
- 3-6 最初のフォロワーたちを巻き込む(Engaging a group of first followers)
- 3-7 組織全体を巻き込む(Engaging the whole organization)
- 3-8 新旧の組織の前提を明確化する(Make old and new assumptions explicit)
- 3-9 有志を募り、任命をやめる(Invite volunteers, stop appointing)
- 3-10 目に見える最初の行動(Visible first actions)
- 3-11 旅の前にティール組織を見学すべき?(Visiting other Teal companies before you start?)
- 3-12 組織の将来を明確にイメージする(A precise image of the future organization)
Others
その他お知らせ