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3.starting the journey
3-1 旅の前に信頼を築く(Building trust before you start)
短いですが重要な動画です。このアドバイスは多くの場所で耳にします。“メンバーの信頼を築いてから旅を始めよ”。目的の実現や呼びかけはそれからです。本でも言及しました。ゾブリスト氏はFAVIのCEOに就任したあと、およそ1年をかけてから大きな変革に乗り出しました。それだけ時間をかけて、自分や自分の目標を信頼してもらったのです。AESもそうでした。世界で30以上の発電所を買収しました。すると場所によっては、運営にとても苦労しました。国によっては警戒心が強かった。AESは本社からリーダーを2〜3人、買収した発電所に送ってトップを任せました。1〜2年ときにはそれ以上変革には乗り出しません。十分な信頼が生まれて初めてモードを切り替えて、呼びかけをおこない助言プロセスや自主経営を実践していくのです。とても的確な助言だと感じました。
“十分な信頼ができてから始める”理由は2つあります。従来型の組織においては、長年多くの人が不信感を募らせてきた可能性があります。なので急に変革を呼びかけても次のように受け止められることでしょう。“どうせまたトップの気まぐれだからしばらく耐えよう”。そのため信頼が必要になります。“今回は違う。ぜひやろう”と感じてもらうのです。
2つ目の理由は、基本的にこの変革の呼びかけはずいぶん従来と考え方が違うものなので、すぐには周りの理解を得られないかもしれません。え? 自主経営?上司がいないの?全体性?この状況で?深い対話をしろって?妻や夫や親友とも試したことないのに?つまりまったく未知のものへメンバーを誘うわけです。前向きになってもらうにはリーダーや目標への信頼が不可欠になります。
どうすればメンバーたちは目標を信頼し、不信感を取り払ってくれるでしょう?唯一にして最高の方法は、FAVIのゾブリスト氏のように交流することです。現場に出て社員と会話し、姿を見せて交流し、ひたすら耳を傾ける。そして信念を語って反応を見る。やがて信頼が生まれます。
より大きな組織では全社会議もいいでしょう。台本はなく、どんな質問も受け付ける。誰もが参加できる。ビデオ会議だっていい。リーダーが信頼を得るためのひとつの方法は、構えずに接することです。弱さを晒し、自分を偽らず、何でも話に来てもらい、それをきちんと受け止める。そうした双方向のやり取りをすることが信頼形成には決定的に重要です。
もうひとつの利点は、こうして交流をするほど、リーダーが従来の仕事に使う時間が減る点です。会議や意思決定にかける時間が減る。つまり交流の時間を作っていくために、意思決定を人に任せてやることを減らす。そういう権限の分散は変革の旅を始めてから役立つことでしょう。
3.starting the journey
3.旅をはじめる
- 3-1 旅の前に信頼を築く(Building trust before you start)
- 3-2 考えやメッセージをテストする(Test your perspective and message)
- 3-3 良心に照らして考える(Your integrity is a flashlight)
- 3-4 ただの人間に戻る(Return to being a mortal)
- 3-5 経営陣を巻き込む(Engaging the top team)
- 3-6 最初のフォロワーたちを巻き込む(Engaging a group of first followers)
- 3-7 組織全体を巻き込む(Engaging the whole organization)
- 3-8 新旧の組織の前提を明確化する(Make old and new assumptions explicit)
- 3-9 有志を募り、任命をやめる(Invite volunteers, stop appointing)
- 3-10 目に見える最初の行動(Visible first actions)
- 3-11 旅の前にティール組織を見学すべき?(Visiting other Teal companies before you start?)
- 3-12 組織の将来を明確にイメージする(A precise image of the future organization)
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