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8.For coaches, consultants and facilitators
8-3 トップリーダーを説得する(Convincing top leaders)
どうすれば相手先のCEOを説得できるかとよく聞かれます。“ティール組織”や新しい組織形態に移行するよう説得したいのです。似た質問は他にもあります。
“フレデリック 何か研究やエビデンスはないかな?”
“この新しいマネジメントの方が生産的で、利益やマーケットシェアに良いと示したいんだ”
こうした質問にはいつも取り合いません。この点には7-1で少し触れました。このような場合に説得するのは不可能なのです。
ティール組織に必要な新しい世界観を支持しろと説得はできません。これは単なる新しい情報の伝達ではないので、“分かった これは新しいね取り組もう”とは行きません。
ここで起きているのは、その人が育んできた世界観を別の世界観に変えることです。多くのリーダーにとってそうした変化は苦しい出来事の後に訪れることがあります。
たとえば、つらい離婚を経験したり、子供の病気や燃え尽きなどから立ち直ったときに。そうした経験が成長のきっかけとなり、新しい世界観で率いるようになるのです。
だから私はCEOを説得したことはないですし、あなたにもお勧めしません。それがうまくいったのを見たことがありません。
しかし、説得の代わりにできるのは、リーダーに現状のシステムでの痛みを語ってもらうことです。
今のシステムがリーダーにとって機能しているか尋ねるのです。
かなりの割合で機能していない部分が存在し、今のシステムにおける痛みがあるはずです。そして大半のリーダーは痛みのやり場がありません。
だからリーダーと対話する際は今のシステムで機能していない部分について、第三者の視点で人やシステムの問題点を指摘するだけでなく、機能していないシステムを自分はどう感じるか語ってもらうのです。
リーダーが自分の痛みを語れる場所を確保すると、つながりや思いやりの素晴らしい瞬間が訪れます。
そうした対話の方がリーダーを説得しようとするよりもはるかに興味深く、意味あるものになります。
また、そうした対話はきっかけに過ぎない場合もあります。対話をきっかけに関心を抱き、新しい何かを求めるようになり、徐々に昔の考えを疑いだし、新しい世界観に変わっていくのです。
CEOの考えを変えるべく対話しているのではありませんが、少なくとも新しい可能性へと開かれるきっかけとなります。
期待に沿わない回答だったかもしれません。
説得はできないし、すべきでもありません。
説得の代わりに良い対話をしましょう。
私生活や組織で何がうまくいき、何がうまくいっていないかを聞き、きっとあるはずの痛みを語る場所をつくるのです。
今のシステムは非人間的だと言われており、痛みもあるはずです。なのでリーダーの地位にいて、痛みを感じないことはないでしょう。
そうした部分を語ることができれば、とても嬉しいに違いありません。
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