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4-3.Self-management: teams, colleagues and former managers

4-3-2 元マネジャーはどうする?(What about former managers?)

元マネジャーについてお話しします。
もしかしたら、あなたのようなミドルやシニアマネジャーだった人たちのことです。今後はマネジャーに頼らないシステムに移行しますが、すると何が起きるでしょう?
それは多くの人にとってつらい瞬間です。全員ではありませんが、多くの人にとって苦痛です。繰り返しになりますが、ミドルやシニアのマネジャーは自主経営への移行に最も抵抗します。

それも当然の話です。長年、社会的地位や肩書きがアイデンティティだったからです。
人生の多くの年数を費やしたり嫌いな仕事も我慢してきたのは、階段を上るためだったのにそれが突然、消えるのです。それは多くの人にとって苦痛です。

それが苦痛なのは他にも理由があります。もし自主経営が従来よりも効果的な方法なのだとしたら、多くの人は 自分が長年やってきた仕事は何だったのかと感じます。
“自分は間違っていたのか?”

そこで重要なのはこう伝えることです。
“新しいモデルに切り替えるが、今までの運営も間違いじゃないし有効だった”
“過去のことを称えて新しいシステムに進もう”
全員が苦痛を感じるのではなく、マネジャーの中には古い権力を捨てるのをいとわない人もいますが、多くの人には苦痛です。

しかし、苦痛は当面のことで典型的なカーブを描いて消えます。それは何度も耳にしました。そのカーブとは最初は困惑して苦痛を感じますが、しばらくして 実のある仕事に取り組めるようになると、つまり生産的で価値ある仕事ができ、大きな安心感を感じるそうです。

“これまでは余計なことにプレッシャーを感じていた”
“部下たちの士気を高めねば”
“くだらないことを止めさせ、成果を出させねば”
“上に いい姿を見せねば”
それらのことから解放されて安心感を味わうそうです。

移行から数ヶ月たって彼らが2つ目に言うのは、再び創造的な仕事を楽しんでいるということです。

考えてみると管理職の仕事の多くは、実際にはあまり面白くありません。その多くは情報を上下に流すことです。
多くのミーティングに出て書類やプレゼン資料を作成し、情報を流します。内心では望まない個人間の問題も対処せねばなりません。よくあることですが、最も創造的な人々でも、階層を上がると創造性がほぼ求められない仕事になります。
そのため新システムに移行すると元マネジャーは再びやる気を起こし、面白い仕事をするようになります。

問題は移行した直後の苦痛を感じている時に、半年後にどうなるのか言ってもムダだということです。肩書きを失うという喪失感を経て、実際に仕事を経験し、回復していくことが必要です。ただし、他の元マネジャーがどれだけ楽しく仕事をしているか知ることは有効でしょう。

喪失感を感じている時に1つ有効と思われるのは、新システムでも力を持てると早い段階で伝えることです。
これまで以上の力を持てます。それは以前のような上から押しつける力ではありません。助言プロセスを使うことで共に大きな力を発揮できるのです。
助言プロセスを使えば、上からの承認を得る必要や延々と会議に出る必要がありません。変化を起こす主導権とエネルギーが助言プロセスで得られます。助言プロセスの使い方を学べば、これまでと同等には力を持てます。

もう1つ理解すべきなのは、自主経営であっても自然に序列ができることが多いという点です。
他の人と同様、競争心があれば自主経営でも貢献度という形で名誉を競うことができます。

階段を上る競争をする代わりに、何度助言を求められるかや、どれほど賞賛されるかを競えます。ある分野の専門家として大いに貢献すればいいのです。
元ミドルやシニアのマネジャーは多くの社会資本を持っています。かつて上に立ち、存在を認識されているため、戦いに先行しているのです。“戦い”というよりも、支援や貢献を認められる優しさの競争に先行しています。

また、自主経営に移行する組織の多くは実力主義に基づく給与体系を残しています。そのため、階層組織の階段を上るのではなく、組織に存在する給与の階段を上ることができます。

それでもまだ足りない場合は、同僚たちと一緒にか、幹部なら自分で取り仕切り、周りと体験を共有できる場を作っておくのです。それはシェアリング・サークルやラーニング・サークルやスペースと呼ばれる場です。
そこでは元マネジャーたちが円形に座って自分の経験について話します。そこではカーブの先を進み、楽しんでいる人の話も聞けます。1人で抱えるのではなく、体験を語れる場なのです。詳細は別の動画で紹介します。

苦しみのカーブが現れるのは全員ではなく、最初から満足する人もいます。
問題は、かつては肩書きの箱で業務内容が分かったけれど、今後 私や他のマネジャーは何をするのかということです。そんな時に組織が実行している一般的な解決策があります。

FAVIなどの組織では“皆と話してくるんだ”と伝えられます。
“貢献できる仕事を見つけよう”
チームに残っていくつかリーダーの役割を担ってもいいし、別の役割を担ってもいい。再びチームで実際に役に立てて、やる気になる人もいます。またはチームの外に出て、新しいプロジェクトを率いてもいい。かつては時間がなく、いつかやりたいと思っていたことです。
そんな風に組織のルールとして、すべてのマネジャーが何ヶ月かかっても自分で見つけることが重要です。自分に合い、組織の存在目的に貢献できる役割を見つけましょう。

メンタリング・グループを作ってマネジャー同士で話せるようにするのも1つです。こんなアイデアがある、こんなことができると話せば、軌道から外れていないと自信が持てるはずです。

他の組織でマネジャーをやりたいという人には、退職手当を提供するのも1つの手段です。マネジャーのままがいいという人には反対せず、転職を容易にする寛大な方法があると言うのがいいでしょう。多くの組織がそうしています。

これらの方法があれば自分の道を見つけられるでしょう。
たとえば古い人事の考え方を引きずっていると、“人事が皆の計画を立てねば”とか、“皆のキャリアを管理せねば”と考えますが、自主経営ではその考えから離れ、皆に主体性が戻されます。

“組織に価値をもたらせる。好きな仕事を見つけていきましょう”
“メンタリング・グループもあるし”
“外でやりたいことがあれば組織を去ってもいい”
そうやってメンバーの選択やキャリアを後押ししましょう。

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