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6.Evolutionary purpose
6-12 ビジョンという言葉を好まない理由(Why I don’t like the word “vision”)
今回の短い動画のテーマは、かなり細かなものです。ごく些細な内容ですが、ある言葉を取り上げます。細かいですが気づきも多いので、動画にすることにしました。
組織が掲げる“ビジョン”に関する内容です。
よく組織では3〜5年先のビジョンを掲げます。
“3年後にはCO2排出量を実質ゼロに”
“3年後には全製品をリサイクル素材からつくる”
“3年後には自主経営に移行する”
“5年後には国際企業として全大陸に進出する”
これらは、ほんの一例です。こうしたビジョンの提示が役立つ場合もあります。
しかし私はある時、“ビジョン”という言葉に違和感を抱きました。考えてみると当然です。
存在目的という観点から見ると、ビジョンという言葉は“人が組織に求めるもの”に聞こえます。組織への働きかけや、組織への自己投影とも言えます。“私”や“我々”のビジョンとして、組織の3年後の目標を語ったりするのです。
これは昔ながらの“予測とコントロール”に感じます。戦略的計画や組織への要求に近いものです。
しかし本当に目指したいのは、自分を中心に据えずに“組織が目指すものは何か”に耳を傾けることです。そんな風に気づいてからも、ビジョンという言葉を使ってはいます。広く知られ、理解しやすいからです。
でも本当に良いと思うのは、“呼びかけ(call)”という言葉です。
“どんな呼びかけが聞こえる?”
自分ではなく組織の声を感じ取ってみると、3年後 どうなりたいと言っている?ドイツ語なら“anruf”、フランス語では“appel”です。
組織は何を呼びかけている?
美しい言葉だと思いますし、自分を謙虚にし、不確かな状態に置いてくれます。
一方で“ビジョンを打ち立てる”とは、まるで征服地に旗を立てるようです。“呼びかけ”は もっと控えめで暫定的なものです。
なぜなら、切実な呼びかけだと思っても、耳を傾け続けることによって変更や改善案を探り続けるからです。
ひとつの案としてみなさんに提案します。
ビジョンではなく呼びかけに着目してみましょう。組織から届く呼びかけの声です。
6.Evolutionary purpose
6. 進化の目的
- 6-1 存在目的の真の意味(What evolutionary purpose really means)
- 6-2 最大化と自己防衛を超えて(Beyond maximization and self-preservation)
- 6-3 北極星としての存在目的(Purpose as the guiding star)
- 6-4 現実を直視する勇気はあるか?(Do you have the courage to face reality?)
- 6-5 存在目的を探求する方法(How to determine purpose)
- 6-6 見せかけのパーパス(Fake purpose)
- 6-7 戦略的計画は必要か?(Do we need strategic planning?)
- 6-8 戦略的計画の立て方(How to do strategic planning)
- 6-9 プランニングをやめるべきか(Should we stop planning?)
- 6-10 予算なしでできる?(Can we do without budgets?)
- 6-11 指標や目標は必要?(Do we need indicators and targets?)
- 6-12 ビジョンという言葉を好まない理由(Why I don’t like the word “vision”)
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