ビデオシリーズ

Video Series

ホーム > ビデオシリーズ > 7-4 傘を開いて雑音から守る(Open the shit umbrella)

Top page

7.If the ceo is not on board

7-4 傘を開いて雑音から守る(Open the shit umbrella)

この章の最初の動画で、自分の担当部門を変革するには2つの道があると話しました。
1つは前回の動画のとおり、経営陣の承認を得ること。
もう1つは許可を得ずに、こっそりと実施することです。

進めたあとで公にしたり許可を求めてもいいですが、たいていの場合密かに進めるとうまくいくので、組織の他の人たちはその結果にとても満足して、少し妙な取り組みに感じても受け入れてくれます。そして許可を求める必要もなくなる。

ではどうやって、自分の担当領域に安全な場所を作るのか。
あるワークショップでこんな表現をした人がいました。
“Shit umbrella(雑音から守る傘)を開けばいい”

つまり、傘を開くことによって自分の領域の人々を上の雑音から守るのです。
あなたが中間管理職なら“部下”を全員 守りつつ、あなたは上との交渉役を務めます。

具体的には自分のチームを指図してくる上からの影響と、サポート機能の影響から守ります。これらへの創造的な対処は簡単なこともあれば、疲弊するほど大変なこともあります。

たとえば非常に細かな予算プロセスがあり、上から下へと強制されていく。それを傘で止めるのです。
経営陣や何かのシステムに数字を出すことはあっても、下に押し付けはしない。それが認められるかどうかです。
予算に関しては全体でエクササイズをおこなうと、共同での予算策定ができるかもしれません。手間も最小限になるかもしれない。こうした予算策定はシステムを満足させるだけのものですが、従来とは違うアプローチが可能です。

あるいは毎年の人事評価でも、人事に詳細な指示をされるかもしれません。人事評価をシステムに記録するためです。
そういう評価をやめて、別の方法にする手もあります。ピア・ベース(同僚同士)で意見を出し合ってもいい。これについては、ぜひともサウンズ・トゥルーの見事な例を読み返してください。イラスト版の本にも書かれています。

それでも人事は何らかの書類が必要で、評価シートの記入を求められることもあります。まるでピア・ベースでなく、1対1で評価したかのようにです。
その時はシートを埋めれば、人事も満足するでしょう。
グループセッションで出た素晴らしい結果を添付してもいい。人事評価シートに添えるのです。詳細で素晴らしい評価だと思われるかもしれません。

このように傘を開いて創造的に守っていけばいいのです。
上の獣にエサを与えながら、下で違う方法をとる自由を作ります。

とても大変だと言う人もいます。でも、ある人は こう言いました。
“面白い視点を見つけたんだ”
常に上のやり方に文句を言い続けたり、自分が信じていないことをして愚痴をこぼしたりせず、ゲームなのだと考え方を転換するのです。

上とのゲームを行いながら、下で自由な空間を作りそれを学びの旅と捉える。
上との折衝役は最も疲弊する仕事です。でも、折衝役を務める人は最も学ぶことができます。従来のシステムの方法と常に比較しながら新しい方法を取るからです。

ぜひとも、ゲームをしながら多くを学べる旅だと考えましょう。
1年後か2年後か分かりませんが、ある程度 時間がたつと上の意見に抵抗する強さを持っているはずです。
この場合、意図をもって抵抗することが重要であり、抵抗できるエネルギーが重要なのではありません。抵抗すれば当然、システムからも抵抗されます。

私がお薦めしたいのは第1原理に戻ることです。
もはや有効とは思えない方法をどこかの花形部署に強要されたら、第1原理に戻ってその目的は何か考えることです。
そのコンプライアンス・メカニズムで彼らは何を達成したいのか?

原理に戻って言いましょう。
“そちらの要求は理解しているので、やり方は任せてください”
“私たちは要求を満たすだけでなく、皆が心躍らせる方法を取ります”
“興味があれば方法を伝えます。共感する人もいるでしょう”

自分と違うからと抵抗せず、皆にとってよりよい新たな方法を築いていく手助けをするのです。
向こうは詳細を理解できずとも、あなたが抵抗しているのではなく、組織を尊重しながら新しい方法を模索しているのだと感じ取り、聞き入れてくれるかもしれません。

ヨス・デ・ブロックの言葉に感動しました。
彼は外部の業務監査委員とこうした形で交流していると言い、時に驚くほどうまくいっていました。彼は優しく明確に言うそうです。
“あなたの方法ではなくもっといい方法でやる”

多くの場合、こうした対話は難しいものです。これまでの方法に固執するからです。
“雑音から守る傘”の下で素晴らしい世界を作り、疲弊しすぎないようゲームとして取り組みましょう。
きっと多くのことを学べるはずです。

RELATED TAGタグで調べる

RELATED KEYWORDキーワードを詳しくみる

Others

その他お知らせ