ビデオシリーズ

Video Series

ホーム > ビデオシリーズ > 7-2 どこまでやる覚悟がある?(How far are you willing to go?)

Top page

7.If the ceo is not on board

7-2 どこまでやる覚悟がある?(How far are you willing to go?)

話を先に進める前に2つほど考えてほしい質問があります。
では、1つ目の質問です。
CEOでないあなたが自分の担当部門に新しい慣行を導入しようとする場合、どのくらいの歳月をそれに捧げますか?

とりわけ大企業に勤めている場合、どのくらい今のポストにとどまっていられますか?私の感覚からすると、たかだか1~2年では短すぎます。たとえば5年ほど専念する自分を想像できますか?じっくりと慣行を根づかせ、学ぶための時間です。
もし従来型の大組織にいる場合次のポストや昇進を諦めてでも、通常より長くとどまる覚悟がありますか?通常マネジャーは2〜3年で異動になりますが、それを諦めて挑戦に賭けられますか?

とても興味深い問いです。
この挑戦は人生の数年間を捧げるほど自分にとって意義のあることでしょうか?

2つ目はリスクに関する質問です。
どこまでリスクを負う覚悟がありますか?変革を起こすことで解雇されても構いませんか?

なぜなら 変革を目指す取り組みは、既成概念にない行動だからです。ぬり絵の線の外側に色を塗っていくようなものです。そうするとどこかの時点でシステムに拒絶されるでしょう。あなたは危険な異分子として解雇される可能性もある。
クビになるほどの覚悟がありますか?

別に“イエス”が正解ではありません。“ノー”だって構いません。経済的な理由から安定を選ぶ人もいるはずです。
大事なのは、どの程度リスクを負うかおよその見当をつけておくことです。どこまでなら、はみ出して色を塗れるか目安が必要です。

ここで1つアドバイスがあります。線の外側に色を塗る時は強気でなければいけません。そのためにはプランBを持つことが大切です。

システムから拒絶された時、どうするか想像してください。
転職先の候補や別の収入源はありますか?
今以外のどんな身分なら自分にとって意味があり、解雇も恐れなくて済む?

これは重要な問いです。次善策がない人は無意識のうちにこう感じてるはずです。
“クビになったらこの世の終わりだ”
その時点で人生の扉が閉ざされると感じている。もしそうなら、強気になれません。線からはみ出るなんて不可能でしょう。

ですが、今の取り組みと同じくらいかそれ以上に魅力的なプランBがある場合、あなたは、たちまち強気になれます。もし失敗して、解雇されても次に行く場所があるからです。

私の個人的な話をしましょう。
大手コンサルティング会社マッキンゼーで働いていた頃、私にはプランBがありませんでした。天職でないと感じたものの他にやることも思いつかず、もし突然失業したらと想像しては脅えるばかりでした。
だからリスクを冒さず、優秀なコンサルタントを演じ、決して線からはみ出ませんでした。無力だったのです。

ですからリスクについてぜひ考えてみてください。それが自分の強さにつながります。

数年前、1通のメールをもらいました。そこにあった完璧な1文が忘れられません。私の言いたいことをズバリ語っているのです。
“自分を裏切ることに比べれば、解雇は怖くありません”
その心境にたどり着くと人間は途端に強くなれるのです。

最後に、経験者たちのエピソードを紹介しましょう。彼らは自分の組織に辟易して、私に こう言ったんです。
“辞めます。もう限界です”
そういう人たちに、私はこう返しました。

“そうか。どのみち辞める気なら、クビも怖くないよね。退職もクビも大差はない。違いはプライドくらいだ。どうせ辞める覚悟があるなら、ここはひとつ、会社にとどまって思いきって行動してみては?”
“自分が理想とする慣行や環境を組織に導入して実践することに全力を注いでみたらいい。”
“最悪でも解雇されるだけだし、うまくいけば楽しいことがいっぱいある。学ぶことも多いだろう。それに自分の部下たちが大きく成長して才能を開花させるかもしれない”

というわけで、今の組織に嫌気が差したなら全然違う環境を探す必要があります。
でも、もし組織に踏みとどまって変革を起こせば、最悪、2年後にクビになったとしてもその間に多くのことを学べます。
あなたへの見方も変わっているでしょう。マネジャーとしてもすっかり変わり、会社以外の人も別人になったと感じているかもしれない。そして、あらゆるチャンスの扉が開くはずです。自分に合う場所が見つかるでしょう。
でも今、組織を去ったら何の扉も開きません。また似たような組織を選ぶのがオチです。なので私の助言は、こうです。

いずれ組織を去るとしても、少しでもとどまる気持ちがあるのなら、思いきって組織を理想の姿に近づけてみましょう。

RELATED TAGタグで調べる

RELATED KEYWORDキーワードを詳しくみる

Others

その他お知らせ