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6.Evolutionary purpose
6-9 プランニングをやめるべきか(Should we stop planning?)
従来のマネジメントにおける重要な要素のひとつは、予測とコントロールのカギとなる“計画”です。
未来を予測しコントロールするなら、中間目標や明確な計画を立てるのが最適です。来年や次の3年の厳密な予定を立てるのです。だから“感覚と反応”へと移行する場合に計画を全否定して、計画は悪であり、古臭いものだと言いがちです。
それはあまりに単純すぎます。これはよく出会う誤解のひとつです。
“計画”自体は悪くありません。気をつけるべきは2つです。
計画のしすぎと、計画への過信です。
この2つの問題を詳しく紹介しましょう。“計画のしすぎ”からです。
私たちは計画やその効力に魅了されていて、必要のない場面でも計画を立ててしまうのです。
大切なのは“必要最小限の計画を考えること”です。必要な計画の少なさに驚くでしょう。
私の個人的な例を紹介します。
数年前に家の大規模なリノベーションをしました。使わなくなった作業場のようなスペースを、日常的に過ごす場所にしたのです。私にとっては大きなリノベーションでした。
最初に私は何をいつやるか詳細な計画を立てました。作業工程を細かく決めて、業者や関係者の作業を確認できるようにしたのです。
やがてナンセンスだと気づきました。週ごとの詳細な計画を半年分つくるのは可能ですが、そうした計画はすぐに古くなるのです。結局、私や関係者のストレスの種となり機能しないので、私は考えました。
“最低限、必要な計画は?”
この工事で必要な計画は1つだけだと悟りました。その1つとは“冬までに壁を閉じて窓を設置すること”でした。それらができていれば、冬は内装に取り組めるからです。壁や窓が間に合わないと、内装は春まで作業できません。
計画として必要なのはそれだけでした。
これは私的な例ですが、アジャイル組織をご存じならよく分かると思います。大量の計画は必要なく、実はごくわずかな計画で事足りるのです。
計画が必要かは業種によります。ビュートゾルフは極端ですが、ほぼ計画がありません。
しかしiPhoneの新作を製造するという場合には、たくさんの計画が必要になります。大量の業者から無数の部品を滞りなく集めて、製造に取り組まねばなりません。
だから大切なのは、最小限の計画を考えることです。そして、美しい詳細な計画立案への欲望に打ち勝つのです。
2つ目の問題は“計画を過信せずにいられるか”です。
計画を過信していると、耳を傾けなくなるのです。
“予測とコントロール”の考え方は次の3年は予測したから、耳を傾けるのはやめて計画を実行していこう”というものです。耳を傾けるのは3年後です。
従来型組織が良い例で、2〜3年ごとに3〜5年計画を立てます。そして計画を立てたあとは、周りや世界の変化に耳を傾けなくなっている。
そうではなく感じ取り、反応すべきです。
最小限の計画を立てたとしても、立てたら固定ではありません。それどころか常に見直しましょう。どんな資料も計画も生きたものであり、常に見直して更新や変更をするべきです。決めたら終わりではありません。
これは“計画は必要ない”という誤解を避けるための動画です。最小限の計画を考えましょう。
特定できた計画は固定的でなく流動的なものと捉え、“感覚と反応”に基づいて常に見直しましょう。状況の変化に合わせていくのです
6.Evolutionary purpose
6. 進化の目的
- 6-1 存在目的の真の意味(What evolutionary purpose really means)
- 6-2 最大化と自己防衛を超えて(Beyond maximization and self-preservation)
- 6-3 北極星としての存在目的(Purpose as the guiding star)
- 6-4 現実を直視する勇気はあるか?(Do you have the courage to face reality?)
- 6-5 存在目的を探求する方法(How to determine purpose)
- 6-6 見せかけのパーパス(Fake purpose)
- 6-7 戦略的計画は必要か?(Do we need strategic planning?)
- 6-8 戦略的計画の立て方(How to do strategic planning)
- 6-9 プランニングをやめるべきか(Should we stop planning?)
- 6-10 予算なしでできる?(Can we do without budgets?)
- 6-11 指標や目標は必要?(Do we need indicators and targets?)
- 6-12 ビジョンという言葉を好まない理由(Why I don’t like the word “vision”)
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