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6.Evolutionary purpose

6-7 戦略的計画は必要か?(Do we need strategic planning?)

“プランニング”に関する動画の前編です。さまざまなリーダーがこんな疑問を抱いていました。
“今後も戦略的計画は必要ですか?”
そこには葛藤があるようです。というのも戦略的計画とは、もはや前向きにやりたいことではありません。しかし本当にそれなしでリスクはないのか?羅針盤を持たずに旅などできるのか?

そこで今回は、この問いに関する私の見解をお話します。
私の考えでは、変革の多くは存在目的を感じ取ってこそ起きます。メンバーを感知器にする自主経営も重要です。

フランスにいい表現があります。
“Écouter les signaux faibles” “弱い信号を聞け”
自主経営を実践する組織では、各々が弱い信号に耳を傾け、組織全体を少しずつ新たな方向に導いていくのです。

次に言えるのは明確な存在目的を持っていれば、外の世界が絶えず呼びかけてくれるということです。
適切な方向へ進む機会を与えてくれます。

この2つが躍進の鍵です。
たとえば素晴らしい旅を続けているビュートゾルフは、戦略的計画を一切立てません。『ティール組織』で紹介したFAVIもユニークです。
彼らいわく、 従来型の組織は3~5年計画を軸にして翌年の計画を立てます。ですがFAVIは20年先を見据えたうえで、翌日の計画だけを立てるのです。そこで私は、各CEOにこんな疑問をぶつけました。

“なぜ戦略的計画が必要だと感じるのでしょう?”
“どんな対立や痛みや場面から、必要性を感じますか?”

というのも計画の立案は、たんなる惰性の場合があります。計画が必要だと思い込んでいるのです。
それは私たちが不透明で不確かな状態のまま、生きるすべを知らないからです。すべてが説明された状態を好むのです。

もう1つ気づいたのは、自主経営の導入により喜びを味わう一方、目新しさや学びは苦痛を伴うため、メンバーたちは新しいことを学んで愚痴をこぼすのではなく、“計画がないから動けない”と言ったりするのです。
何をすべきか明確な場合でも、新しい挑戦を避けるため計画のなさにケチをつけるのです。“マネジャーの指示がないなんて”

強く印象に残っている会話があります。
ある製造業のCEOと交わした会話です。彼らは自主経営に移行して大きな成功を収めました。従来型組織だったその会社は、4年間のうちに2倍の売上と10倍の利益をたたき出しました。社員が目的を正しく感知し実行した結果でした。それでもCEOは言うのです。
“戦略計画を立てるべき?”

そこで私は彼に議論を吹っかけました。
“こんなに成功してるのになぜですか?”
彼は答えに窮していました。そこで更に尋ねました。
“どんな痛みや対立や場面から必要性を感じますか?”

私に言わせれば、その会社は戦略的計画を立てる必要などないのです。
そうは言っても、実際のところ、立ち止まって考えざるをえない瞬間はあります。世界の状況や組織の方向性を把握する際に、戦略的計画の立案が選択肢として浮上するのです。

そういう状況は4つ考えられます。
その1 市場やテクノロジーが急変したとき。
世界が新しくなって、明確な指針が必要になったときや新たな機会が開けたとき、立ち止まって考えるのは理にかなっています。

その2 巨額の投資を行う場合
たとえば 新しい工場を外国に建てるときなどは、立ち止まって点検してから結論を出すのも当然です。

その3 意思統一が欠けているとき
方向性がバラバラのときは、誰かが提案しないといけません。
“意思統一が必要です”
“組織が目指す方向を感じ取ろう”

最後に その4です。
自主経営への移行時に関することですが、そのときには明確さが必要です。明確さがないと何のための自主経営かも分からず、大体の方向も見えないからです。

この4つが戦略的計画を必要とする状況です。私からの提案は こうです。もし戦略的計画を立てる必要性を感じたら、自問してください。

“どんな対立や痛みまたは場面によってその感情が生まれている?”

答えが出ない場合は十中八九、“説明が必要だ”という慣習に縛られているのでしょう。だからこそ非現実的な計画にしがみつき、計画があることに安心するのです。

計画は必要な場面とそうでない場面があります。私も常に自問しています。

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