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6.Evolutionary purpose

6-3 北極星としての存在目的(Purpose as the guiding star)

6-1の動画で語ったように、存在目的の意味とは“明確な目的を掲げること”だけではありません。でも今回は“明確な目的を掲げること”に焦点を当てます。それは今でも有効な手段であり、存在目的の実現に欠かせません。
“感覚と反応”を支えてくれます。

現在、目的の明確化を試みる組織のほとんどが誤った理由からそれを行っているようです。
“そうすることが流行りだから”とか、“年次報告やサイトに載せるためだ”と考え、マーケティング用だとみなしています。

あるいは目的を掲げるほかの理由としては、社員の士気を上げたいからでしょう。自分たちの業務における崇高な目的を目の前にぶら下げるのです。こちらは社員を奮起させるためであり、マーケティングとは異なります。
しかしティール的な観点で言えば、ここで伝えたいのは、単なるマーケティングや士気高揚の手段ではありません。次のように認識してほしいのです。

“組織は大切な何かを世界に提示するために存在している”
“真実と善と美を広めるためにある”

組織は単なる器となって、何かを訴えようとするものに力を貸すのです。とにかく、その大切なものは何かを認識して、言葉で表してみるのです。
すると、あることが起きます。つまり、絶えず存在目的に耳を傾けることができると、物事がはるかにスムーズに展開します。楽どころか優雅にすら感じるかもしれません。

私はある文章を読んで感銘を受けました。書いたのはロミー・ゲルハルトという女性です。彼女はシステミック・コンステレーションの実践者です。システミック・コンステレーションとは、組織の存在目的を探る際に役立つテクニックです。

彼女は驚きの物語を書き記していました。ホテルを経営する一家の話です。
ホテルの場所は、イタリアとオーストリア国境です。一家は山に高級スパリゾートを建設する計画を立てます。とても美しいホテルです。
でも7年近く経っても着工できずにいました。そこまでのプロセスで難儀していたのです。
そこで一家はロミーの助けを借り、システミック・コンステレーションを通じて計画を見直しました自分たちの内なる声に耳を傾けたのです。

“正しい答えは何か?”

すると結論が出ました。
“今までの計画は忘れてゼロからやり直そう”

最初からやり直しです。
建築家の再選定や計画の立て直し、建設許可を取りつけたら次は建設業者の選定。決めることが盛りだくさんです。宿泊料の価格設定、各部屋の名前の付け方、無数にありますが、重要な決断があるたびに論理な分析で最適解を考えるのと並行して、システミック・コンステレーションを利用しました。
プロジェクトの存在目的に耳を傾けることにしたのです。

すると、驚くほど簡単に進みました。計画の再始動からホテルのオープンまで1年半未満という驚異の速さだったのです。すべてが やすやすと、鮮やかに展開しました。
なぜなら一家はシステミック・コンステレーションを通じて、絶えず直感的な答えを聞くことができたからです。存在目的が自分たちに何を求めているか聞いたのです。

これだけの話でも、存在目的に耳を傾ける大切さが分かります。つまり、なぜ明確な目的を持つべきかというと、それに耳を傾けることで物事がスムーズに展開するからです。

もう1つ、目的の明確化が役に立つ理由があります。自主経営に移行する際、意思統一が図れるからです。
階層制度を用いて複数の取り組みを管理し、齟齬を調整する必要がなくなります。目的が明確だと意思を統一できるのです。

次はステートメントについてです。すなわち目的を書き出すことです。

面白いことにビュートゾルフは、目的を明文化する必要性を感じたことがないそうです。職場はおろかウェブサイトにさえ、ステートメントの類はありません。
でもビュートゾルフは、まさに存在目的を意識した組織です。絶えず耳を傾け、存在目的の求めに応じようと心がけています。存在目的は語られることで生きてくるのです。

そこで質問です。存在目的は明文化したり、ステートメントにすべきでしょうか?

『ティール組織』の執筆経緯にも同じことが言えます。
私は何かが起きる度に自分の存在目的に耳を傾け、これを書くのが自分の使命だと直感したのです。
人生の目的を明文化したいと思ったことはありません。ティール組織と、その生態系へのステートメントもありません。

こうしたステートメントを掲げるかは検討が必要です。
もし有益なことだと感じるなら、どうか慎重にやってください。明文化する際、存在目的に宿るエネルギーをなくさないことです。短くまとめようとすると、そうなりがちです。

私も何が正解か分かりません。段落に分けて、感情に訴える言葉を使い、短く簡潔な表現にするといいかもしれません。絵を描くのも1つの手です。絵や動画は多くのものを喚起します。正解は分かりませんが、ぜひ検討してみてください。

さて、組織の存在目的を明確に感じられたとします。変化はつきものですが、当面の目的が明確になったら組織内 あらゆるチームが考えるといいでしょう。

“その存在目的に独自の貢献をするには?”

明文化するかはさておき、独自の貢献についてストーリーで語るのです。するとチーム内に強い意思統一が生まれます。そうしたチームは耳を傾け、感じ取り、反応できるでしょう。

“正しい貢献だろうか?”
“存在目的が我々に求める貢献は何だろう?”

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