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6.Evolutionary purpose

6-11 指標や目標は必要?(Do we need indicators and targets?)

“感覚と反応”への移行に関する誤解は他にもあります。それは指標や目標に関することです。
“予測とコントロール”の特徴は、予算計画を立てたあとにすべてを数値で測ろうとすることです。目標に近づいているか測定するのです。

多くの人が気づいていますが、このやり方は機能しないうえ、目標設定は非生産的です。目標をつくると大局的な観点を忘れ、目標に夢中になり、周りが見えなくなります。目標攻略のゲームになるのです。
進化型の“感覚と反応”という観点から言えば、与えられた目標に従うのみで、耳を傾けなくなった状態です。それでは良い仕事ができません。
良い仕事は複雑であり、測定するのは不可能なのです。

美味しいカプチーノを例にしましょう。
美味しいカプチーノの淹れ方は測定できません。しかしバリスタやコーヒー愛好家は、飲めば味の良さは分かります。でも淹れ方の測定を試みるのは無意味です。

結論としては、“むやみに測定せず、指標や目標を用いないこと”

もちろん これは極端な言い方です。計画や予算に関するこれまでの動画を見ていたら、答えは想像がつくでしょう。
“自分たちの事業には何が必要か考えること”です。仕事の性質としてどんな計測が必要でしょう?

ほとんど不要な組織もあります。ビュートゾルフはほとんど測定を行いません。
逆に多くの測定が必要な組織もあります。モーニング・スターがその一例です。
トマト加工を行う一連の過程で、各段階における温度など、厳密に測定せねばなりません。測定項目を多く設けて加工過程を安定させ、質の高い製品を届ける必要があるのです。
ですが全体的に、測定はかなり減らせるでしょう。いまは事あるごとにすべてを計測しているからです。

私の知っている病院を例にとりましょう。
近年は官僚的になっていて何かミスがあるたびに、新たな測定項目が追加されていました。測定項目や目標数値を設定する真の目的は2つです。

1つ目はシステムが自己修正するため。
先ほどのトマト加工の話で言えば、測定結果が普段と違ったとき、すぐに修正するのが目的です。普段、測定しているのは、異常が出たときに自己修正するためです。

2つ目の理由は外部を安心させるためです。
監督機関や利害関係者に活動内容を伝えるには、測定値が役立ちます。
この2つが測定を行う目的です。ある段階や過程では測定が必要な場合があります。

測定に関して、もう1つ考えましょう。
“目標数値は必要か?”
私の考えは、こうです。自主経営型の組織は“感覚と反応”に基づき、存在目的に自覚的なので、指示ではない自主的な数値設定は行うでしょう。

そういう個人やチームは、モチベーションのために数値を設定しています。成長を計測するためです。ランニングをする人が、毎回タイムを測って目標タイムを決めるのと同じです。自分のモチベーションになります。
でも、こだわりすぎは禁物です。その目標は個人的な希望数値ではありますが、生態系に棲む生命体なので、状況によって目標タイムを達成できたり、できなかったりします。

なのでモチベーションとしては構いませんが、目標数値にこだわりすぎるのは避け、“感覚と反応”を続けましょう。

おさらいです。測定が必要な場合もあります。自己修正を促したり、外部を安心させる場合です。自分で目標数値を決めることもあるでしょうが、注意してください。
ゴールは数値の達成ではなく、耳を傾け、感じ取り、反応することです。

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